多数政党の思惑だけで決めてよいのか

皇室典範は、「国民の総意」に基づくべき天皇・皇室に直接かかわる、唯一の包括的な法律だ。だからその改正は、何よりも国民の気持ちに沿った議論が必要だ。選挙ごとに勢力分布が変動する国会で、その時の多数政党の思惑だけで乱暴に決めてよい課題ではない。

前例を振り返ると、上皇陛下のご退位を可能にした皇室典範特例法の時は、民意の高まりを受けて、当時の大島理森衆院議長を中心として丁寧に「立法府の総意」をつくり上げた。そのため、衆参両院でほぼ全会一致で可決できた。現状は果たしてどうか。

「総意」とは名ばかりの取りまとめ

6月10日、国会を構成する全政党・会派による協議(全体会議)の場で、衆参両院の正副議長らによる「立法府の総意」なるものが、少なくない党派の反対を押し切って決定された。全13党派のうち、賛成したのは7党派だけだった。