詐欺拠点から押収された「債務者名簿」

「トクリュウ」とは、「匿名・流動型犯罪グループ」の略称で、2023年8月に警察庁が定義付けした。「離合集散を繰り返し、流動的で、匿名性の高い通信手段等を活用しながら役割を細分化。資金獲得活動によって蓄えた資金を基に、更なる違法活動や風俗営業等の事業活動に進出しているグループ」。警察庁は、準暴力団を含むこうした集団を「匿名・流動型犯罪グループ」と位置付け、実態解明を進めている。

警察庁によると、被害金は、さまざまなところへ還流している。トクリュウたちは、いくつもの資金投入先を作り出しているのだった。

衝撃的だったのは、特殊詐欺事件の摘発でかけ子の拠点に強制捜査が行われた際、その事務所から多重債務者のリストが押収されたことだ。捜査関係者によると、そのリストは、別の貸金業法違反で強制捜査された“闇金業者”の名簿と一致したという。

違法カジノ、ホストクラブ、キャバクラへ

捜査関係者はこう説明する。

「このかけ子の拠点では、騙す電話に加えて、出し子や受け子をリクルートする電話をかけていた。つまり、返しきれない借金がある人を誘い込んでいたわけです」

違法貸金業と、特殊詐欺グループが、実は裏でつながっていたということだ。

ここ1、2年で明らかになっている「違法カジノ」もその関連が疑われている。違法カジノで使い込み、高利貸しで借金し、返せなくなり特殊詐欺に手を染める。ホストクラブや、キャバクラ、さらに性風俗産業も、同じ構図の中にあると捜査関係者は指摘する。

新宿歌舞伎町・劇場通り
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こうした違法性を帯びたビジネスを拡大させるには潤沢な資金源が欠かせない。特殊詐欺などの被害金は、こうした違法産業の拡大のために投資資金として投入され、投資回収として利益が吸い上げられている。

稼ぎ出し、現金を得て、投資に回す。フリーキャッシュフローを重視した事業運営が高速回転し続けているのである。