みずほ問題の真因は新卒一括採用にあり
【田原】福原さんは日本と外国の企業の両方に勤務経験があります。その違いも聞きたい。たとえば最近、みずほ銀行で暴力団関係者にお金を貸していたという事件が発覚しました。これ、日本だから起きるのかな。
【福原】一般論で言うと、背景には1人だけ違う意見を持つことを許さない日本企業の文化があると思います。暴力団に融資するとまずいと思っても、そういうことを言える雰囲気はない。現実の世界に半沢直樹は存在しないんです(笑)。
【田原】なんで言えないのですか。
【福原】欧米なら、上に嫌われてクビになっても他の会社でやり直せます。でも日本は終身雇用が前提の企業が多く、転職も難しい。定年まで同じ会社に勤める前提だと、上の意見に逆らうことはできないでしょうね。
【田原】池田信夫の『アベノミクスの幻想』に、面白いデータがありました。自分の価値観と会社の価値観が同じだと思っているサラリーパーソンは、アメリカ41.5%に対して、日本は19.3%。この差は何だろう?
【福原】アメリカでは、自分の考え方と合わないと思えば転職します。日本のように我慢しない。
【田原】ということは、日本では多くの人が自分の考えを諦めているわけです。そんな状態じゃいい発想も出てこないし、仕事へのモチベーションも上がらないでしょう。どうしてそうなってしまうのかな。