貴金属を買うのは「値崩れしないから」

小和田さんが年間に購入する洋服は15着程度。靴は年に2足も買えばいいほうだ。学生時代はブランドの洋服を購入することを好んだが、現在では自身のクローゼットには洋服がほとんどなく、夫の半分もない。45センチ程度の幅があればじゅうぶんなのだと微笑んだ。

他方、耳には高価なイヤリングが光る。「近頃は、もっぱら貴金属を買うのが趣味です」と言う彼女の意図を聞いた。

「たとえば現在つけているものは海外旅行の際に免税店で35万円ほどで購入しました。もちろん、デザインに惹かれてつけています。ただ、貴金属の場合は値崩れしにくいため、もし現在これを売却するとなっても、買値を下回ることはなく40万程度でしょうね。靴や洋服はそうした出口が見えにくいことから、あまり食指が動かなくなりました。趣味としてお金をかけるならば、貴金属>カバン>洋服、靴の序列になるのではないかと個人的には考えています」

もっともこのイヤリングは個人資産から購入したものであり、家計の帳簿には載らない。「男性からすれば高いかどうか見当もつかないですよね」と笑った。

“限りある資金の投資先”を厳選する

家計簿には、さらに目をひく費目もある。水道代の請求、7000円ほど(2カ月)。なぜここまで安いのか。「夫も私も、独身時代からのくせで、シャワーで済ませることが多いので、めったに湯船にお湯をはらないからでしょうね」と小和田さんはこともなげに言った。

小和田さんの家計簿から。「固定費を抑えること」を徹底しているという。
撮影=プレジデントオンライン編集部
小和田さんの家計簿から。「固定費を抑えること」を徹底しているという。

使用しているiPhoneは何世代か前の機種を知人から譲ってもらうこともあり、特に不便はしていないという。スマホ同様、パソコンも再販しやすいApple製品を使用する。

限りある資金をどこに投入するのか、その選択の連続によって、小和田さんは投資の種銭を捻出している。その積み重ねによって、一般家庭で育った彼女が富裕層に肩を並べようとしている。

「目標の金額がある」という彼女の当面のモチベーションは、「仕事をやめても大丈夫」になること。計算によれば、あと10年ほどの歳月がかかる見込みだ。だがそれも、「子供が留学したいと言い出したり、より良い家に住み替えるなどのイベントがあるかもしれないですよね」と楽しそうに語った。

「結局はS&P500とオルカンにぜんぶ突っ込むのが正解でしたね。最初から個別株を買わなかったほうが、いまもっと成績が良かったかもしれないです」

富裕層への第一歩は「小さな金額でも使わない。買い物は合理的に選ぶ」ことからだとわかった。だが、自身の行動に照らすとこれが極めて難しい。きょうも大手チェーン店が出す期間限定の商品をチェックし、サブスクに囲まれてつかの間の満足感を得ている自分がいる。まずは今日、何にお金を使ったのか確認することから始めてみたい。

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