日経新聞社と東京証券取引所などが開発した新株価指数「JPX日経インデックス400」が波紋を広げている。

「JPX日経400」は「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成。東証上場全銘柄の中から、3年平均の自己資本利益率(ROE)と累積営業利益、時価総額などで一定の基準を満たした収益性の高い400社が選ばれた。楽天、ガンホーなどが選ばれる一方、老舗の有名大企業が次々落選し、明暗を分けた。

「選から漏れた銘柄は成長性が低いと見なされたも同然。来年1月6日スタートの新指数が株価動向や企業業績に大きな影響を及ぼすのは確実です。特に話題になったのは“財界総理”米倉弘昌経団連会長の住友化学の落選。存在感が希薄と言われる米倉氏だが、会社の成長性にも疑問符が付けられた格好」(財界担当記者)

また、新指数導入に積極的だった大和証券グループ本社も落選した。

「2月6日の銘柄発表前まで、大和証券グループ本社は当然400銘柄に入ると自信を持っていて、新指数導入は大きなビジネスチャンスになると意気込んでいた。ところが落選以降は“新指数なんて大したことない”と負け惜しみを言っていた」(全国紙の証券担当記者)という。

このほか2期連続最終赤字のパナソニックなどの有名企業もあえなく落選した。

「過去3年の平均ROE40%という基準を重視した結果だ。落選企業は年1回行う銘柄の入れ替えを目指して業績改善を図る。社員のリストラ、不採算部門の売却、企業合併が進み、雇用に大きな影響が出るだろう」(証券アナリスト)

新指数については、公的資金のあり方を検討する政府の有識者会議も歓迎。10月30日の有識者会議では、年金資金の運用に関して、従来の「TOPIX」に代わって、収益性を考慮した株価指数を運用指針に活用することで意見が一致。これを受け、114兆円の資産規模を誇る年金ファンド「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)も「JPX日経400」に投資指数を切り替える模様だ。

「新指数について金融庁から説明を受けた経団連はピンときてなかったらしいが、外国投資家らが今後、400銘柄を投資の核とするのは必至」(前出アナリスト)。市場へのインパクトは小さくない。

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