踊り子は街に客を連れてくる

「毎日300人くらいはお客さんが入っていましたね。カランカランと下駄の音が聞こえると、団体さんが来たなとわかるんです。床がコンクリートだから、よく響く。その音は、今も耳に残っています」

踊り子としてデビューして30年余り、あわらミュージックに数百回出演してきた相田樹音さんは、新人だった1990年ごろを懐かしそうに語る。当時の劇場は活況そのものだった。70席ほどの客席は埋まり、観客が通路に座ることも珍しくなかった。

相田樹音さん
撮影=朝倉祐三子
踊り子としてデビューした30年以上前からあわらミュージックに出演してきた相田樹音さん

バブル景気に支えられ、企業の宴会や社員旅行が盛んだった時代。芦原温泉の旅館の従業員が、宿泊客を劇場に連れてくることも多かった。