「光」と「運動」で脳に貯金する

太陽の光が網膜から入ると、その刺激がきっかけとなってセロトニンが分泌されます。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスの緩和、疲労の解消などの作用があり、「明るく前向きな性格」づくりに必須の存在です。

セロトニンが不足すると意欲も低下し、ストレスをダイレクトに感じるようになってしまいます。その結果イライラ、不安、不眠、うつといった症状に見舞われるのです。

私は、日光にあたってセロトニン分泌を促してストレス耐性がついた状態を「光貯金がたっぷりある」と表現しています。反対に、セロトニン不足で元気がないのは「光負債を抱えている」状態です。

もちろん、スーパーエイジャーは光貯金をたっぷりもっています。

なぜか?

皆さん例外なく「朝型」の生活スタイルであり、日光を浴びながら屋外で活動するのが日課だからです。

労働を現金化して蓄えるには時間がかかりますが、光貯金は実にスピーディーにたまります。そしてシンプルです。

日光にあたってセロトニンの分泌を促し、「ああ、幸せだな」という実感を日々もてばいいのです。光貯金が増えるほどに性格は前向きになり、ストレス耐性もついていきます。

つまり、ストレスの攻撃を受けない、スーパーエイジャーの脳に近づいていくわけです。

運動でドーパミンが出ると前向きな性格に

興奮したときや集中力が高まったとき脳内に放出されるドーパミンは意欲や元気の源ともいえる存在です。

書影
加藤俊徳『80代でも若返る脳』(新星出版社)

ドーパミンが増えると、楽しい・嬉しいといった感情が生まれ、ポジティブで活動的な気分になります。

「気分」は一過性のものですが、毎日、その気分が続くのなら、それはもう立派な「性格」。

明るい気持ちをキープするドーパミンを分泌するには「運動」が有効です。

「運動貯金」を蓄えるために私がおすすめするのは、「朝日を浴びながらのウォーキング」。朝日を浴びてセロトニンの幸福感を噛み締めながら、リズミカルに歩を進めてドーパミンの高揚感に包まれれば、自然と前向きな気持ちになるのです。

暮らしのなかで、ちょっとした心配ごとや不安がよぎることがあります。そんなときはあれこれ解決策を考えるのではなく体を動かしてください。ドーパミンの効力を実感できるはずです。

筋肉の反応、息づかい、汗ばむ皮膚などの変化を感覚総動員で追うと、よけいなことを考える余裕はありません。

ドーパミンの分泌も進むので、自然と考えも前向きになります。運動でひと汗かいた後は、心が軽くなり心配事に冷静に対処できるようになるのです。

「運動貯金」をコツコツ増やして毎日を前向きな気持ちで過ごせるようになったら、筋力アップ・体力アップという利子もしっかりついてきます。

老後のために「貯金」に励むことは当然のことと考えられていますが、お金の貯金と並んで老後の健やかな生活を支える大事な脳の蓄え(脳貯金)の源となるのが「光貯金」と「運動貯金」です。

ご自分を「心配性」「不安を感じやすい」「ストレスに弱い」と捉えている方は、すでに脳貯金が減っていて「光負債」と「運動負債」を抱えている状態です。

朝日を浴びて運動をして、マイナスからプラスにひっくり返しましょう。収入があっても、なくても、朝は必ずやってきます。光貯金と運動貯金は、誰でも必ずできるのです。

(初公開日:2026年4月10日)

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