近頃、コンビニの専用棚にズラリと並べられているエナジードリンク。大手コーヒーチェーンであるスターバックスや、乳酸菌飲料がウリのカルピスが市場に参入するなど、まさに「エナジードリンクブーム」といっても過言ではないだろう。
若年層を中心に、急激に売り上げを伸ばしているエナジードリンクは、2012年は約267億円、13年は400億円が見込まれている。今後の見通しについて富士経済の井上綾子氏は、「ここ数年で消費者に(認知度が)ある程度浸透してしまったことを考えると、14年は今までのような伸びになるかというと難しい」と話す。
05年に初のエナジードリンクとして日本に参入したレッドブルは、「中高年の飲む物」という栄養ドリンクのイメージを払拭するため、クラブやバーといったナイトスポットに集まる若者をターゲットにした販促や、スポーツへの積極的なスポンサー活動を行った。それに加えて、一切安売りをしないスタンスがブランドイメージを高め、エナジードリンクといえばレッドブル、というイメージづくりに成功したかたちだ。レッドブルのヒットを後追いするようにコカ・コーラのバーンや、国産メーカーのライジンなど、各メーカーも多数のドリンクを発売しているが、いま一歩攻めあぐねている状態だ。
「エナジードリンク市場といっても、実はシェアの70%はレッドブルの一人勝ちの状態です」(井上氏)
市場に定番化しつつあるエナジードリンクだが、今後の展開はまだまだ不透明のようだ。
(ライヴ・アート=図版作成)