昼のそば、丼もの「早食い、大食い」の盲点

たしかに、そばは食物繊維を多く含み、血糖値の上がりやすさを数値化したGI値(グリセミック・インデックス)も54と、白米(うるち米)の84、うどんの80よりも低く、血糖値の上昇を抑えられます。主食は白米の代わりにそば、うどんよりもそば、というチョイスは正しく思えます。

しかし、気をつけなければならないのは、食べる量の問題です。成人男性なら、ざるそば1枚ではちょっと物足りず、つい大盛りにしてしまう人も多いでしょう。そうなれば、たちまち白米1杯分を上回りかねません。

とくに夏場のそうめんなど、ツルツルと知らぬ間に3~5束と食べていませんか。その量はご飯1.5~2杯分の糖質量・カロリーに相当します。

また、そばもそうめんもすするだけで早食いになってしまいがちです。早食いは血糖値の急上昇を招きます。短時間で多くのカロリーを摂取することになり、肥満リスクを高めます。

そしてさらに問題なのは、ざるそばやそうめんの場合、ほぼ麺しか食べない点です。つまり、糖質ばかりで、たんぱく質や脂質をほとんど摂取できません。これではバランスのよい食事とはいえません。加えて、空腹にいきなり麺では、血糖値が上がりやすくなります。

ざるそばと丼定食
写真=iStock.com/HanzoPhoto
※写真はイメージです

一方、天丼やカツ丼などの丼ものも、麺類同様、かき込むように早食いになってしまう傾向があります。また、ざるそば、そうめん同様、栄養バランスの悪さもマイナス点です。

さらに丼ものの多くは糖質+脂質。この二つが合わさると、上昇した血糖値が下がりにくくなります。血糖値の観点からすると、避けるべき食べ物といえます。

「糖質+脂質」が血糖値にとってよくない理由

なぜ、糖質+脂質が血糖値から見て、NGなのでしょうか。

一般的には脂質をとると、消化しにくいため、胃から腸への排出に時間がかかるようになり(胃に長くとどまるようになり)、食べたものの吸収がゆるやかになるとされています。

それは事実であり、食べたものの吸収がゆるやかになれば血糖値の上昇も抑えられます。丼ものが腹持ちがいいのもそのためです。

しかし、糖質+脂質の組み合わせは、血糖値の上昇はゆるやかでも、上がった血糖値がなかなか下がらないのが特徴です。その理由は、脂質によってインスリン抵抗性が増大し、インスリンの効き目が弱まるためだと考えられます。血糖値が下がりにくいため、インスリンを過剰に分泌することにもつながります。

たとえば、同じスイーツでも脂質がほとんどない和菓子(大福など)と脂質を含む洋菓子(ショートケーキなど)を食べ比べると、大福は食後にグーンと血糖値が上がりますが、インスリンの働きで、すっと落ちます。

片やショートケーキは、大福よりは上昇はゆるやかでもインスリンの効きが悪くなるので、なかなか元に戻りません。長く血糖値を上げてしまうのはショートケーキのほうなのです。

脂質は細胞膜や血液の成分となり、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助け、エネルギー源ともなる人間の体に必須の栄養素です。