一方でスナックパークは、多くの人々が「食べたい!」と思うメニューを並べて売っており、恣意的な編集がいっさい介在しない「リアルな大阪」といえる。この「メディアが切り取った大阪」「リアル大阪」の目線の違いが、価格もコンセプトもまったく違うスナックパークとタイムアウトが比べられる一因ではないかと推測する。

メディアの信用度が低いいまの時代、「キュレーターである私の推薦だ!」と“上から目線”で勧められたセレクションよりも、放っておいてもSNSで自然にバズるスナックパークの方が、“食”という体験を求めるいまの消費者には響く。当然の話であるとともに、タイムアウト不調の理由にも繋がってくる話だろう。

「廃墟」を塗り替えられるか

これで世界中のタイムアウトが同様であるならともかく、市場のリノベーション物件を活かしてパステル・デ・ナタなど現地の名物を安く売るリスボン(1号店)など、他国のタイムアウトと日本のそれは全く違う、というインバウンド観光客の指摘も多い。

いまのタイムアウトの不調は、大阪の街を切り取れていない「日本版タイムアウトマーケットの不調」と割り切って、今後の集客策を考えた方が良いのかもしれない。

タイムアウトマーケット大阪と至近距離にある「うめきた公園」
筆者撮影
タイムアウトマーケット大阪と至近距離にある「うめきた公園」

ただ、タイムアウトの今後の展望は明るい。今年秋にはグラングリーン南館から北側の空きスペースに「うめきたの森」が開業する予定であり、大阪駅からグラングリーン南館、「うめきた公園」「うめきたの森」への動線の途中にあるタイムアウトの客足は、現状の問題を放置していても、自然と増加に転じるはずだ。

また、大阪・北新地の「ラチェルバ」、奈良「#肉といえば松田」などの人気店の料理が予約もなく味わえるのは、関西の食事情を知る人々にとっては驚異でしかない。ここまでポテンシャルのある店が集結しているなら、開設したばかりの公式Xでも、どんどん発信していくべきだろう。

「キュレーター・編集者お勧め」といった作り物のブランドではなく、「各店でいま提供している料理の素晴らしさ」が知れ渡り、SNSで「廃墟」と呼ばれたイメージを、大阪の人々に愛される味として塗り替えられるか。すでに「新店開業」「公式X開設」など矢継ぎ早に集客策を打っており、今年秋に控える秋の「うめきたの森」開業を前にして、「タイムアウトマーケット」の真価が問われ始めている。

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