スナックパークが「廃墟化」しない経営哲学
スナックパークでも2018年の再オープン後に、撤退・閉店が発生しているが、短期間で新店が入るか「イベントスペース」として期間限定の店舗が入ることで、活気をそのままキープしている。現に2026年5月現在も、期間限定扱いで丼物を扱う店が長らく「イベント出店」扱いのまま営業しており、「空きスペースをガラガラのまま放置しない」意図は、はっきりしている。
入居する店舗もタイムアウトのような「その街を代表する料理人」「非・チェーン店」のような制約はなく、まだ関西・関東に本格進出していなかったチェーン店「資さんうどん」が2023年8月~9月に限定出店したこともある。
この前後には「資さん」公式アカウントや佐藤崇史社長(当時)の積極的なSNS発信で「まだ見ぬ北九州のソウルフード」としての「資さん」が知れ渡っていたこともあり、期間中は見たこともない行列が建物の外まで延々と伸びることに。さらに、「数時間待ってうどん一杯」で足りる訳もない人々が他店に流れたため、スナックパークは収集がつかなくなるほどの大盛況となった。
チェーン店なのに長い行列ができる
歴史も活気もあるスナックパークへの出店は、店を構えただけで話題となり、出店したい業者も数多くいる。くわえて、かなりの店舗が長らく営業しているため空き物件が生じず、“廃墟化”状態になりようがないのだ。
なお、上記の「資さん」の場合は、当時は毎日放送に所属していた北九州市出身の野嶋紗己子アナ(現在は退社)がミラクル級の食レポを連発したことから、ネットを見ない層にまで「資さん」の存在が知れ渡るという幸運もあった。
この勢いは3カ月後に開店した関西1号店(今福鶴見店)でも維持され、この高評価のままに全国進出を果たし……今さらだが、「資さん」は全国進出成功の立役者である「スナックパーク」関係者ならびに野嶋アナに、「肉ごぼ天うどん」五十杯くらい奢っても良いくらいの恩義があるのではないか。
「リアル大阪」vs.「編集者が切り取った大阪」
4月22日にプレジデントオンラインで記事を配信した後、在阪テレビ局・新聞などでタイムアウトに関する報道が相次いだ。なかには「1等地であっても、誰にどんな体験、そしてどのように売るかっていう設計がミスマッチだと、このようにガラガラになってしまう」といった、専門家の指摘があったのも興味深い。(関西テレビ「newsランナー」 2026年4月23日放送分)
実はタイムアウトは飲食業ではなくタウン誌が祖業であり、店舗の選定はタイムアウトならびに、同社が選定したキュレーターによって行われるという。直近のプレスリリースでも「タイムアウトマーケット大阪は“編集し続けるメディア”です」と語られており、この空間はいわば「メディア目利きで切り取った大阪」の凝縮だ。




