「電波少年」「ガチンコ」との類似点
ただ、細木数子の番組の人気は、細木個人のタレント力だけによるものではなかっただろう。細木の番組には時代をとらえたリアリティショーとしての面白さがあった。
2000年代のテレビバラエティにおいて主流となったのがリアリティショーである。リアリティショーとは、さまざまな設定を通じて人間のリアルな素の姿をドキュメンタリータッチのエンタメとして見せるものだ。
日本では、1980年代から1990年代にかけて『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』、『進め!電波少年』(ともに日本テレビ系)といった番組から人気に火がつき、さらに2000年代には『ガチンコ!』(TBSテレビ系)なども人気になった。細木の番組も、その流れのなかにある。
ただ、「ファイトクラブ」のコーナーなどが人気だった『ガチンコ!』が若者向けだったとすれば、細木の番組は親世代の視聴者を主にターゲットにしていた。
細木数子の番組は、人生相談のリアリティショーだった。元々、占いと人生相談は切っても切れない関係にある。『地獄に堕ちるわよ』でも、細木が悩みを抱えて思わず街角の占い師を頼ったのが占いとの出会いになっている。
「モンキッキー」で最高視聴率
人生相談は、かつては主婦層がよく見ているワイドショーの定番だった。視聴者と電話でつなぎ、お悩みを聞いて番組出演者がアドバイスを送る。みのもんたのお昼のワイドショーなどを思い出すひともいるだろう。
細木数子の番組も、有名人ゲストなどを相手にした人生相談をショーとして見せるもの。そこに細木ならではのストレートすぎるほどの語り口や細木独自の占いが加味され、真剣とはいえ、ほかにないエンタメになっていた。
いまも時々話題になる、お笑い芸人の改名企画などは典型的だろう。
2004年に『史上最大の占いバトル ウンナンVS細木数子!』(TBSテレビ系)に出演したお笑い芸人のおさるは、このままだと「地獄に堕ちるわよ」と言われ、「モンキッキー」への改名を助言される。おさるもこの提案を受け入れ、正式に芸名を「モンキッキー」に変えた。
この改名がインパクト十分だったことは明らかだろう。その証拠に、この番組は34.1%(関東地区世帯視聴率。ビデオリサーチ調べ)というその年のバラエティ番組における最高視聴率を叩き出した。単に運勢の良い名前に変えるだけでなく、ちょっと笑ってしまう「モンキッキー」としたところに細木のバラエティ対応力も垣間見える。

