現在の『テトリス』へと一気に近づいた

②はIBM互換機で作動するMS-DOS版で、パジトノフが研究所の同僚のドミトリー・パブロフスキー、および彼の知り合いで当時まだ高校生だったヴァディム・ゲラシモフと3人で共作したバージョンです(クレジットはパジトノフとゲラシモフ)。

書影
吉田寛『東京大学で教わるゲーム学入門』(世界文化社)

当時、IBM互換機は、西側だけでなくソ連でも新たな標準となりつつありました。そのため、パジトノフは、①をIBM互換機向けに移植することを思い付き、さまざまなプログラム言語を操る才能をもったゲラシモフに協力を依頼しました。ゲラシモフはPASCALというプログラム言語を使って、②を作りました。②は1985年夏に完成し、同年11月にゼレノドリスクで開かれたコンピュータゲームのコンテストで第2位に選ばれています。

②は単なる①の「移植」ではなく、さまざまな点で①を改良していました。テトリミノは、もはや文字を使ったアスキーアートではなくなり、グラフィックスで表示されるようになりました。またカラーのグラフィックスが使用できることから、ゲラシモフは、7種類のテトリミノをそれぞれ別の色で塗り分けるという画期的なアイデアを思い付きました。さらにパブロフスキーは、ゲーム終了後にハイスコアが表示される機能を加えました。この機能によって、プレイヤー間の競争がさらに促進されました。こうしたさまざまな改良により、②は現在の『テトリス』へと一気に近づきました。

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