株や不動産で資産は守れるのか
米国債をお買いになりたいのであれば、再び米国がインフレになっても(ドルでの)値下がりの小さな短期債に限ると思っています。
インフレに備える資産防衛策として、一般的には株や不動産を買うことが推奨されます。26年に入って、日経平均株価が最高値を更新し続けているのも、インフレを見越して買い進めている投資家や機関投資家が多いからというのが理由の1つでしょう。
日本のインフレが普通のインフレであれば、株や不動産を買っておけば資産を守ることができます。しかし、私が危惧しているのは円の価値が大暴落するハイパーインフレや長期にわたって高インフレが続く事態です。
10%超のインフレが何年も続いたときに、製品やサービスの価格がどこまで上がるのかわかりませんし、それによるショック(危機)が日本経済にどれほど大きな悪影響を及ぼすのかも読めません。
株価や不動産価格がどう動くのかもわからず、したがって、株や不動産を買っておくことが資産防衛策になるのかは正直なところわかりません。
たとえば、1997年のアジア通貨危機のとき、韓国も通貨危機に陥り、国際通貨基金(IMF)の救済を受けました。このとき韓国の株価は約3分の1に大暴落しました。
円暴落でも生き残る企業の選び方
ローンで不動産を購入していた人たちの中には、失業して返済が滞り、不動産を担保として取られた人もいます。また、投資目的で不動産を購入した人であっても、借り手が失業すれば家賃が入ってこないため、毎月のローン返済ができず、不動産を手放す結果になった人もいます。こうした実例を見ると、株や不動産を買うことが、通貨危機のようなハイパーインフレ対策になるとは、ちょっと思えません。
日本企業の株の場合、その企業が今回の危機で業績不振に陥り、仮に倒産してしまえば株は紙くずになってしまいます。特に、日本国内だけで事業を展開している企業は、日本経済の影響をもろに受けますので危険です。将来的には景気が良くなるとしても、それ以前に企業がなくなってしまえば元も子もありません。
日本企業の株を買うのであれば、海外で事業を展開しており、海外に多くの資産をもっている企業を選んだほうが良いでしょう。外貨資産をもっていれば、円が暴落しても生き延びられる可能性があります。
個人が外貨資産をもつことがインフレ対策になるように、企業も外貨資産をもつ、あるいは海外で事業を展開しドル収入があることがインフレ対策になります。
不動産は、一時的に価格が急落したとしても、時間はかかるかもしれませんが価格が戻る可能性が高いと言えるでしょう。とは言え、それも需要のある不動産に限られますが。

