スマホの新着メッセージが気になるワケ
最初にこれを研究したのは、アメリカの心理学者、B・F・スキナーです。
1950年代、スキナーはハトを使った実験を行いました。
ハトをレバー付きのケージに入れます。ハトがこのレバーを押すたびに餌を与えました。これはうまくいき、ハトは空腹になるとレバーを押すようになりました。その後、スキナーはレバーが押されてもたまにしか餌が出ないようにこの装置を変更しました。
すると、ハトはとりつかれたようにレバーを押し続けるようになったのです。
スマホに新しいメッセージが届いていないかをチェックしたいという衝動も、同じように機能します。メッセージが届いているかどうかはわかりません。
届いているのは、ワクワクするような誘いでしょうか?
それとも、嫌な知らせでしょうか?
新しいメッセージを受け取るたびに、私たちの脳内でドーパミンが放出されます。
それは、実験室のハトとなんら変わりありません。ドーパミンは、メッセージの内容にかかわらず、私たちを幸せな気分にさせてくれる化学物質です。
スマホ中毒も薬物中毒も脳の反応は同じ
私たちの脳が求めているのは、「新しい何か」を処理することだけです。薬物中毒者が薬物を摂取したときにも、脳内でドーパミンが放出されます。つまり、覚醒剤を摂取しても、アプリのメッセージをチェックしても、脳の初期反応は同じなのです。
スマホ中毒とほかの中毒には明らかな類似点があります。スマホ中毒者が「いいね」や新着メッセージを求めて携帯電話をチェックせずにはいられないのは、薬物中毒者が薬物を摂取せずにはいられないことや、ギャンブル中毒者がスロットマシンをもう一度プレイせずにはいられないことと同じなのです。どのケースでも、脳は中毒性のある刺激に対してまったく同じように反応します。
ドーパミンが放出されたときに味わう快感はとても中毒性が高いため、それがなくなると落ち着かない気分に陥りやすくなります。スマホを持たずに家を出たことがある人なら、それがどんなものかわかるでしょう。私たちがつい何かをしている最中にスマホをいじってしまうのは、ドーパミンの快感を求めているからなのです。
念のために言えば、ドーパミンそれ自体には何の問題もありません。ドーパミンは、私たちに新しいことに挑戦する意欲を与えてくれます。これは、私たちが生き延びるうえで欠かせない素晴らしい神経伝達物質です。問題は、アプリ開発者が収益を増やすために、人間の生得的なドーパミンへの欲求を利用していることなのです。

