グローバルに通用する「日本人の良さ」
相手や場と響き合い、ともに価値を高める装いであること。
それが「装力」の“発露”です。
そして「装力」の発露とは、心や感情、隠れたものが外見に現れること。
それを「佇まい」といいます。
「装力」は、アメリカ式のイメージコンサルティングから生まれたものではなく、日本発の考え方であることが特徴的で、趣が違います。
日本特有の美意識や生き方に根ざした思想を大切にしています。
アメリカで必須スキルの自己アピール力は、もちろん日本人でも大事ですが、グローバルに通用する日本人の良さは、実は誠実さやきめ細やかさ、空気が読める力が大きいとされます。
たとえば、誰もが電車に乗る際などに自然に順番を待てたり、見知らぬ人の落とし物を警察に届けたりするなどの日本人の習慣は、「自分さえよければいい」という精神では至らない美点であり、その性質を海外から高く評価をされています。
日本には古来より「わびさび」という、余白や簡素の中に美を見出す感覚があり、これらは品格やエレガンスに通じるものです。
また「温故知新」という言葉に象徴されるように、過去の伝統を尊びながら新しい価値を生み出す文化を大切にしてきました。
さらに「おもてなし」という精神に表れるように、相手や場を思い、和を尊ぶ心があります。
「装力」とは、まさにこれらの思想を土台にした、日本発の普遍的な概念です。
なぜ皇室は世界から尊敬を集めるのか
そして、これらの哲学は日本だけでなく、いま世界が見習おうとしています。
その象徴的な一例が、東京・上野の国立西洋美術館の「モネ 睡蓮のとき」を鑑賞された、天皇ご一家の写真に表れています。
天皇陛下は深い紺色のスーツに臙脂色のネクタイを合わせ、品格と安定を体現されています。雅子さまは気品ある臙脂色のスーツで華やかさと力強さを示され、愛子さまは伝統的なグレンチェックのスーツに臙脂色のインナーを合わせ、凛とした誠実さを伝えています。
三者三様の装いでありながら、共通して臙脂色をまとうことで互いを響き合わせ、空間全体に調和を生んでいるのです。実際、背景の壁の色と臙脂色を合わされたそうです。
まさに「響装」とは、このように違いを尊重しながらも、場の価値を共に高める姿勢をさします。
ご家族の仲の良さも自然と伝わり、見る人は温かな気持ちにもなりますね。
この哲学は日本だけでなく、いま世界が感動し見習う、新しい普遍性を持っているのではないかと、私は思っています。
![「モネ 睡蓮のとき」展を鑑賞される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=2025年1月27日、東京・上野の国立西洋美術館[代表撮影]](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/670wm/img_b2bb065f5b3ae499539ce7fac51281211189360.jpg)
