「第2世代」でビジネススニーカーが定着したワケ

水と油のようなアイテム同士を馴染ませるには、質感に工夫を凝らすことがセオリーです。「第1世代」においては、感度の高い人のみ、レザー素材を選択していましたが、それでも限界がありました。というのもスニーカーの木型(フォルム)がカジュアルなので、レザー素材であったとしても、なかなかしっくりくるものがありません。これこそビジネススニーカーが、揶揄されていた理由です。

一方「第2世代」では、革靴の木型でつくられた洗練されたフォルムのビジネススニーカーが登場。スニーカーソール(靴底)に革靴のアッパー(靴の「底」以外の足全体を包み込む部分)デザインを載せたものなど、水と油だった関係性自体が変わりました。

「革靴の木型」でつくられたレザースニーカーが打ち出されたことで、「ビジネススニーカー」というカテゴリーが確立したのです。スニーカーの歩きやすさを持ちながらも、見た目は革靴同様のフォルム。これが現在もビジネスシーンのメインストリームであり、多くの40代~50代にとっての「ビジネススニーカーの成功体験」として定着してきました。ところが、ここでも陥りがちなNGポイントがあるのです。

左は革靴の木型(第2世代)、右はスニーカーの木型(第1世代)
筆者撮影
左は革靴の木型(第2世代)、右はスニーカーの木型(第1世代)

「足元の色」の唯一の正解とは

洗練されたフォルムのビジネススニーカーは、スニーカーというより、むしろ革靴のような印象になります。そのため各社から登場したビジネススニーカーのなかには、白ソールなどスニーカーらしさを取り入れたデザインも増加しました。アイテム単体でみれば、爽やかなのですが、これはコーディネート次第では野暮ったく見えます。

「第2世代」の例
筆者撮影
「第2世代」の例。白のスニーカーソール(靴底)に革靴のアッパーデザインを載せている

それが「足元の色数」問題です。ビジネスシーンに限らず、足元の色数は2色までに抑えることが好ましく、足元3色以上の場合、散らかった印象になります。つまりは、白ソールのビジネススニーカーならば、アッパーとスラックスの色を近づけること。

これが唯一の正解ですが、このルールを知らない人は、アッパーと異なる色のスラックスを合わせ、なんだか全身が散らかって見えていたのです。その一方、オンオフ兼用を試みた人たちは、ビジネススニーカーを休日ファッションに取り入れるという問題に直面していました。

「スニーカーだから、カジュアルに合わせられるだろう」という目論見は、ドレス感とカジュアル感という関係性からアウトです。つまり通勤スニーカーとして、ビジネス用途のスラックスに合うということは、裏を返せば、「カジュアルなデニムやチノパンでは、足元が浮く」ということ。これはのべ5500人のファッション相談に乗り、一緒にショップで試着を見てきたからこそ断言できます。