女性皇族の未来を“宙ぶらりん”にしている
そうした論点のすり替えと欠陥の固定化の延長線上に、皇室の将来への根本的な打開策を打ち出せるはずがない。政府が提案しているのは無理で無茶な2つのプランだ。
②皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする。ただし養子縁組の対象者は、被占領下に皇籍を離脱したいわゆる「旧宮家」系子孫の国民男性だけとする。
しかも、先の衆院選挙で自民党は公約に②の旧宮家養子縁組案を「第一優先として、皇室典範の改正を目指します」としていた。政権与党の日本維新の会も足並みをそろえる。
これは、当事者でいらっしゃる皇室の方々への配慮を、まったく欠いた姿勢だ。
考えてみてほしい。
敬宮(愛子内親王)殿下をはじめ今の皇室におられる内親王・女王殿下方は、皆さますでに適齢期に達しておられる。今年、どなたがご結婚されてもおかしくない。
にもかかわらず、ご結婚後の立場が不確定という宙ぶらりんの状態を解消する取り組みを、あえて“後回し”にしようとしている。当たり前の感覚があればできないことだ。
政治がご結婚にブレーキをかけている
今のルールでは、未婚の女性皇族ができるだけ長く皇族としてご公務を担おうと願っておられる場合、皇室に残るためにご結婚を控えなければならない。そんな状態をいつまで放っておくつもりか。
政治の無策・怠慢で、内親王・女王の婚姻後の身分保持を可能にする制度改正を遅らせることは、当事者のご結婚に政治がブレーキをかけているに等しい。政治家にその自覚があるのだろうか。
一方、被占領下に皇籍離脱した旧宮家系子孫の国民男性については、元皇族だった方が国民の仲間入りをしてから、80年近く何も手をつけないできた。今さら急ぐ理由はどこにもない。
にもかかわらず、内親王・女王殿下方を差し置いて、そちらの手当てを「第一優先」にするとは何ごとだろうか。
旧宮家は「皇統に属している」といえるのか
政府は「皇統に属する男系の男子の養子縁組」というプランを提案している。しかし、政府が養子縁組の対象者に想定する旧宮家系子孫の男性は、果たして“皇統に属している”といえるのか、どうか。
たとえば、当事者が自分たちを「皇統に属さない」と自認している事実がある。
