塩分を欧米人並みに減らす

腎臓は、体液中の塩分濃度の調節も行なっています。塩分を摂りすぎると、腎臓は体内の水分を増やすことで塩分濃度を保とうと努めます。そして、体内の水分が増えれば、血管内の水分量も増え、血圧が上がります。

高血圧が腎臓病の大きなリスクであることは、繰り返し述べてきたとおりです。つまり、塩分の過剰摂取は、腎臓の仕事を増やして疲弊させ、かつ血圧を上げるというダブルパンチで腎臓を悪くします。

世界で行なわれたいくつかの研究から、一日の塩分摂取量が3グラム以下の人に高血圧はまれで、6グラムを超えると高血圧のリスクが増すことがわかっています。

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また、4週間以上にわたって一日3グラム以下に塩分制限すると、血圧が3.6~5.6低下するという研究結果も報告されています。

さらに、高血圧があっても、30カ月にわたって一日5.2グラムまでの塩分摂取量に抑えたところ、4割の患者さんが降圧剤をやめることができたという報告もあります。

こうしたことから、高血圧を予防して腎臓を守るには、塩分摂取量を一日5グラム未満にすることが望ましいといえます。一日5グラム未満というのは、WHO(世界保健機関)が推奨する基準でもあります。

世界基準は日本の平均値の半分以下

ところが、日本人の一日の塩分摂取量はこれよりはるかに多く、男性で平均10.7グラム、女性で9.1グラムも摂っています(厚生労働省「国民健康・栄養調査」2023年)。しかも、これは平均値ですから、もっとたくさん摂っている人がいるわけです。

ちなみに、男性が女性より塩分摂取量が多いのは、男性が濃い味を好むからではありません。単純に、女性より食べる量が多いから、そこに含まれる塩分も多いのです。だから、性別や年齢を問わず、食事の量が多い人は、なおさら薄味を心がける必要があります。

薄味の料理ではどうしても物足りない人は、「エレキソルトスプーン」(微弱な電気によって塩味・うま味を強く感じさせる減塩サポート食器)を使ってみるのもいいでしょう。