日本が物価高に苦しむ一方…
イラン戦争の発生で、世界経済に大きな影響が出ている。原油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰、アルミや肥料などの供給制約のデメリットを受ける国が多い一方、重要なメリットを受けている国もある。
メリットを受ける代表例はロシアだろう。最大のメリットは、同国の石油やガスなどの価格が上昇したことに加えて、制裁の緩和で資源の輸出を行いやすくなった。エネルギー資源の輸出量が増え価格も上昇したため、ロシアの輸出金額が大幅に増え、財政状況は改善したはずだ。
ウクライナ戦争の発生後、プーチン大統領の支持率は低下したと報じられた。財政悪化への懸念も高まった。ところが、一転して、イラン戦争をきっかけに国家財政は潤ったはずだ。プーチン大統領の支持率が上向く可能性もあるとの指摘もある。プーチン大統領がほくそ笑む姿が浮かぶようだ。
「強いロシア」が戻ってきた
財政状況の改善は、ロシアの軍事予算の拡張にもつながる。プーチン政権の政策運営が加速することで、東欧の旧社会主義国家やバルト3国、中央アジアや中東諸国などへの圧力が高まるかもしれない。
それは、わが国の経済・安全保障の面で、無視できない脅威になることが懸念される。
少なくとも、今回のイラン戦争で、米国の軍事力の多くはアジアから中東地域に移った。それに伴い、米国、中国、ロシア、欧州など、主要国・地域のパワーバランスは大きく変化している。そうした状況の急変の中、わが国はいかにして経済・安全保障の確立・安定を目指すか、重要な問題が起きてしまった気がする。

