「スキル」を基準にするスキルベース組織

メンバーシップ型では曖昧すぎ、ジョブ型では硬直的すぎる。私たちは、この難局をどう乗り越えていけばよいのでしょうか。

小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)
小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)

その答えの1つが、「スキルベース組織(Skills-based Organization)」という新しいアプローチです。人材マネジメントの基準を、曖昧な「人」そのもの(メンバーシップ型)や、硬直的な「職務」(ジョブ型)に置くのではなく、より柔軟で可視化しやすい「スキル」に置くという考え方です。

「スキルベース組織」という言葉を、初めて耳にする方も多いかもしれません。

しかし、これは決して机上の空論ではなく、今、世界中で急速に広がりつつある人材マネジメントの大きな潮流です。とくにアメリカのHR(人事)分野においては、2026年現在、最も注目されている概念の1つといっても過言ではありません。

国内外の企業が続々採用…

変化への対応力と組織の機動性を高めるため、多くの先進企業がすでにこのアプローチを取り入れています。

たとえば、グローバル消費財メーカーのユニリーバは、部門の仕事がプロジェクトやタスク単位に細分化され、社員は自身の持つスキルに基づいて、部門の壁を越えて柔軟に配置されるしくみを導入しています。

Googleでは、多様なスキルを持つ社員が異なる部署でも活躍できるよう、プロジェクトベースでスキルを発揮できる体制を早期から整えてきました。

また、IBMは、体系的なスキル開発プログラムを提供し、社員がスキルセットに応じてキャリアを選択できる環境を整備しています。

このスキルベース組織の波は、日本にも確実に押し寄せています。先進的な日本企業も、従来の制度の限界を打破すべく、スキルを基軸とした人材マネジメントへの変革に着手し始めているのです。

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