「高市首相は誰の話も聞こうとしない」

しかし、その基盤は盤石とはいえない。4月1日に情報誌「選択」の記事「高市が『退陣』を口にした夜」が公開されると、永田町に激震が走った。その内容は、訪米を前に高市首相がトランプ大統領の求めに応じ、ホルムズ海峡への自衛隊派遣に意欲を見せていたが、第2次安倍晋三政権で官邸を支えた今井尚哉元秘書官(現内閣官房参与)がそれを阻止し、激しい口論が交わされたというものだった。

今井氏は昨年10月の高市政権発足時に、高市首相から直々に「首相秘書官に」と懇願されたが、フルタイムの秘書官の勤務は困難として参与に就任。今年1月の衆議院解散を仕掛けた人物といわれる。実は記事が出る前から、「高市首相が今井氏の進言を聞かず、両者は険悪な関係に陥っている」との噂が流れていた。もっとも、いまや今井氏だけではない。「高市首相は誰の話も聞こうとしない」といわれている。

その一例が26年度予算の年度内成立問題だ。通常国会が召集された1月23日に衆院が解散され、2月18日に特別国会が召集されるまでの約1カ月間、本来なら当初予算案が審議されるはずの国会は機能を停止した。それにもかかわらず、衆院での審議時間が59時間と00年以降では最短となるスピード採決によって、予算案は3月13日に衆院を通過。しかし、与党が過半数を制していない参議院では、参院自民は野党が主張する審議時間を受け入れ、26年度当初予算の成立は4月の第2週に持ち越された。

高市首相にとってこれは手痛い「敗北」だった。2月の衆院選で、自民党に316議席をもたらしたのは、ひとえに自分の人気のおかげに他ならない。トランプ大統領も絶賛してくれたではないか。にもかかわらず、なぜ参院自民は自分の意のままにならないのか――。