66人の「高市チルドレン」を放置
次期参院選の前の27年には自民党総裁選が待ち受けているが、高市首相はどのように勝ち抜くのか。昨年の総裁選で高市首相が1回目の投票で獲得した議員票は64票で、小泉進次郎防衛相の80票、林芳正総務相の72票よりも少なかった。
そして現在もなお、高市首相の党内基盤は脆弱だ。2月の衆院選では66人の「高市チルドレン」を誕生させたものの、放置している状態だ。予算審議の短縮と相まって、「お披露目」のチャンスがほとんどない。官邸や党内での求心力が落ちるなか、「すでにカウントダウンも始まっている」との声も出始めた。ある自民党幹部は「秋には茂木敏充内閣の誕生」とまで口にする。
いずれにせよ焦点は秋に行われるとされる党役員人事と内閣改造に、高市首相が着手できるかどうかだ。高市首相は麻生太郎副総裁の義弟である鈴木俊一幹事長の更迭を目論んでいるとの話もある。それどころか、「右腕」であるはずの木原稔官房長官を更迭する話さえささやかれているが……。
高市首相はトランプ大統領に抱きつき、マクロン大統領に「かめはめ波」を送るといった首脳会談でのパフォーマンスに長ける一方、公邸で過ごす時間が長く、官邸でも執務室に閉じこもる習性がある。
一人たばこをくゆらせながらその脳裏にめぐらせるのは、政権延命の秘策か、あるいは党内の政敵の排除か、それとも――。表で見せるにこやかな表情とは裏腹に、官邸の奥で君臨する女帝の孤独は果てしなく深い。
(政治ジャーナリスト・安積明子)
当記事は「AERA DIGITA」からの転載記事です。AERA DIGITALは『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら


