世界各地で頻発する「港湾スト」
加えて北米地域では複数の労働問題が発生しました。2024年9月に北米東岸で港湾労使協約の更新期限を迎え、10月にはストライキも起こっています。
カナダでも西岸港や鉄道会社で、欧州港湾においてもフランスやドイツ、イタリアなどでストライキが発生し輸送の不安定化に拍車をかけました。
2025年に入ってからしばらく、コンテナ輸送は堅調な状況が続きました。全世界のコンテナ貨物輸送量はコロナ禍期の2021年や2022年を上回ったのです。
米国でトランプ新大統領が就任し、各国に対する追加関税の動向が大きな注目点となりました。
輸送量増加の背景には、サプライチェーンの混乱を見据えた荷主が前倒し出荷を進めたことが挙げられます。
しかし、4月以降は追加関税の発動により、中国からの輸出が大きく減少し、北米往航における中国積みのシェアは2024年の55.2%から9月には48.1%まで縮小しました。
関税政策の影響で代替市場となる欧州
一方、欧州往航の9月までの累計輸送量は前年同期比で10%近い増加となっています。
先述した通り、欧州往航の荷動きは2023年以降増加が続いており、その傾向に変化はみられません。
また、米国の関税政策の影響を受けて、中国で生産した製品の代替市場として欧州へ輸出する動きがみられており、輸送量を押し上げる要因となったのです。
輸送量が増加したのはアジア域内航路も同様で、この航路は前年同期比でみると世界で一番輸送量が大きくなった航路でした。
輸送量増加の背景には、北米航路や欧州航路で運ばれる製品を作るための部品や材料について輸送が活発であったことに加え、中国で生産された製品が東南アジア向けに多く輸出されたことが挙げられます。
同様の動きはアフリカ向けや中南米向けでもありました。荷動きの増加が船舶への需要も増やしました。
供給側の船舶はどうだったでしょうか。世界で就航するコンテナ船は2024年に一度ピークを迎えたものの、2025年に入ってからも船腹供給は続いています。
用船市場も活発な取引が続き、中古船取引もコロナ前に比べると増加しています。

