相次ぐ生産停止、株価暴落、中小企業の倒産

半導体の島

台湾は「半導体の島」と呼ばれています。世界の半導体受託生産の約70%が台湾で生産され、特に最先端の半導体では台湾が70%以上のシェアを持っており、そのほぼすべてをTSMC(台湾積体電路製造)が担っています。

台団サイエンスパークのTSMC工場
写真=iStock.com/BING-JHEN HONG
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半導体はスマートフォン、パソコン、自動車、家電製品、医療機器……、あらゆる電子機器に使われています。台湾からの半導体供給が止まれば、これらの製品がつくれなくなります。

日本の自動車産業も台湾の半導体に大きく依存しています。トヨタ、ホンダ、日産、これらの企業は台湾からの半導体が届かなければ、生産を停止せざるを得ません。

2021年、コロナ禍による半導体不足で世界中の自動車メーカーが減産を余儀なくされました。台湾有事では、その何倍もの規模で半導体不足が起きます。そして、それは数カ月ではなく、数年続く可能性があります。

金融危機

台湾有事が起きれば、世界の金融市場は大混乱に陥ります。株価は暴落し、円高が急速に進み(あるいは逆に円安が進行し)、企業の資金繰りが悪化します。銀行は融資を渋り、中小企業が倒産し、失業者が増えます。

2008年のリーマンショックを思い出してください。あれは一つの投資銀行の破綻から始まりましたが、世界経済を大不況に陥れました。台湾有事の経済的影響は、リーマンショックをはるかに超えるものになるでしょう。

数十万人の難民が押し寄せる

難民

台湾の人口は約2300万人です。戦争が起きれば、多くの台湾人が安全な場所へ逃れようとします。日本は台湾からもっとも近い民主主義国家です。ボートで海を渡ってくる人、漁船に乗ってくる人……、数万人、場合によっては数十万人の難民が日本に押し寄せる可能性があります。

日本政府はこれらの難民をどう受け入れるのでしょうか。住む場所は? 食料は? 医療は? 日本には大量の難民を受け入れる準備も法律も、十分には整っていません。

もっとも深刻なのは、日本自身が戦争に巻き込まれる可能性です。中国が在日米軍基地を攻撃すれば、日本の領土が攻撃されたことになります。そうなれば日本は自衛権を発動し、中国と戦争状態に入る可能性があります。

また、アメリカが台湾を防衛する場合、日米安保条約によって日本も後方支援を求められるでしょう。