「まんだらけ」の「生前見積」サービス
市場が狭くて深いマニア向けのアイテムを高く買い取ってもらうなら、その事情をよく知る買い取り先を探したほうがいい。しかしそのぶん手間がかかるし、買い取りに至るハードルも高くなるのが常だ。
査定額を重視するならサブカルチャーグッズに精通した専門店ということになるだろう。たとえば、東京・中野に本拠を置く「まんだらけ」なら全国展開しているので、物量的にもミスマッチが起きにくいと予想が立つ。しかも同社は2016年から「生前見積」サービスを展開している。
「死期を悟り、生前のコレクションの行く末を考える」コレクターを対象としたインターネット専用のサービス窓口で、手持ちのコレクションを1点から最大100点まで無料で査定してくれる。原則として査定は送付された画像データで行い、見積もりの結果は通常1週間から10日ほどで依頼者の元に届く仕組みだ。
しかし、晴れて見積書発行に至るケースは多くはない。同社広報部の中村勝也部長によると、依頼のペースは月に4~5件程度で、見積書発行まで進むのはその半数程度だという。
同社は「まずはご自身のコレクションのなかで価値が高いと思われるモノのなかから10~20点程度メールでお申し込みください」と案内しているが、そもそも対象となるのが現在入手困難になっているレアモノなので、市場で普通に買えるものは省かれるし、見積書の発行は1点あたり買い取り評価額が5000円以上のものに限られる。
6点で買取評価額は105万円超
1点のみでの依頼の場合はさらに厳しく、3万円以上の評価額が求められる。中村部長は「コレクションのなかで、価値が高いと思われるものの画像を10~20点を送っていただければ、見積もり可能か否かはだいたいすぐに分かります」と言う。
同社の公式ページにリンクされている「生前見積」の参考例を見ると、例示されている品目の並びが「敷居」の役割を果たしているともいえる。
たとえば見積書の最初にある「クローバー ダイカスト 無敵超人ザンボット3 コンビネーションプログラム」という品目を見たとき、どこまでが企業名で、何がブランド名であり、どんな作品のどの商品なのか理解できることが最低条件となる。
参考までにこの生前見積の品目と買取評価額を書き出してみると、
・(前出の)「クローバー ダイカスト……」が50万円
・「カルビー旧ライダーカード【表25局版】㊵仮面ライダーのひみつ」2万7000円
・講談社テレビコミックス ウルトラセブン第4集」8万円
・「ブルマァク(移行期)キングジョー」2万5000円
・「イヤーズペコちゃん(初代から2016年まで)」17万2000円
・「M1号 キングギドラ 1988 1/1 ヘッド」25万円(原型師 直筆サイン入り)
で、計105万4000円となっている。
そのうえで、その商品がマニアにどんな評価を受けているのか見当が付けられるくらいの知識がないと、「価値が高いと思われるもの」を選定することはかなり難しくなるはずだ。
見積書の発行が即日の買い取りにつながるわけではないが、査定の基準は変わらない。所持するコレクションのなかから、現在は入手困難であって価値が高そうなものを10~20点限定したうえで相談するというプロセスを経ることになる。
それぞれの価値をよく知る本人なら、最新の相場を少し調べただけでスムーズに依頼まで進められるかもしれない。しかし、遺品になった後で、その道についての造詣がそこまで深くない遺族が同等の選定を行うのはあまりに無理難題だ。

