半数以上が「未来を正しく描いていない」

もちろん経営層側も、何となくのイメージではなく、実現可能なビジョンを描く必要があることは大前提です。しかし、実効性のある方針が示されていたとしても、管理職が現場とのすり合わせをしなければ無意味です。こうして、社内の分断によって悪循環の一途をたどっていくのです。

本書のために実施した管理職516人のwebアンケート結果を見てみましょう。課長から見た部長・本部長の評価(図表1)で「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の双方で最多の回答を集めた「大課長」の問題点は、「将来のありたい姿が曖昧な中、過去から現在の延長線上で、事業/部の将来を描く(または事業の未来を描いていない)」でした。

【図表1】課長から見た部長・本部長の行動評価
出典=『上司はリスクばかりを指摘する』

自分の上司が正しく未来を描けていないと答えた人の割合は、合計で56.6%という高い水準になっています。次いで多かったのは「定量的な分析が弱い中で、感覚や定性情報のみの現状把握をもとに、事業/部の将来を描く(または事業の未来を描いていない)」と答えた人で、こちらも合計で51.1%と半数を超えていました。