2割以上安い場合は「何かがおかしい」と疑え

前述のとおり、適切な施工をすれば、材料費も人件費も、それほど安くはできません。

大手や中堅、数社に見積もりを取っても、その差は2割以内でしょう。2割以上安い見積もりが出たら、何かおかしいと考えられます。たとえば、RC構造を坪単価100万円以下で建てるという触れ込みで不動産系ユーチューバーに紹介されていたデベロッパーがありましたが、いつの間にか倒産しました。

私のお客様の中にも、お止めしたのもかなわず、その会社に総工費約2億円の建物を依頼された方がいました。結果、途中で倒産し、社長は行方知れずに。中途半端な建築段階で作業が止まったため、引き継いでくれる工務店と設計士を探しましたが、どこもやりたがりません。図面どおりに建っているかどうかも怪しく、問題が生じたら自分たちが責任を負うことになるからです。

かといって壊して建て直すと追加費用が発生します。それでもどうにか別の会社に依頼し、追加で2億円かかったそうです。お金も時間もかかり、周りからはいわく付き物件扱いされる。最悪です。

大手でも中堅でも、財務基盤が弱い会社は相当数、破綻しています。

材料費は高騰、人件費も高騰、しかし価格はそこまで上げられず、ギリギリで経営しているからです。大手のゼネコンでさえ、都心で高級マンションを建てる間にさまざまな問題が生じ、多額な損失を被った例もあります。

それでも大手であれば完工してくれますが、小規模な会社では体力がもたず、終了です。

建設会社とは、品質の問題だけでなく、倒産リスクも踏まえて契約しましょう。

また個人住宅建設の際に、国や自治体などの助成金が受けられる場合がありますが、そうした情報を持っていない小規模な業者も少なくありません。その点ハウスメーカーでは情報を得ているのはもちろん、メーカーによっては専門の部署が情報提供してくれたり、手続きについて教えてくれたりすることもあります。

木製テーブル上の家のモデル
写真=iStock.com/kuppa_rock
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住宅展示場の書類には絶対署名してはいけない

住宅展示場(以下、展示場)では、最初に入ったメーカーで家を建てることになるケースが多い、という話があります。入ったら最後、一日中その家の説明を聞かされる羽目になり、契約まで持っていかれるのだというのです。理想の家を建てるため、複数のメーカーを比較検討するほうがいいのは言うまでもありません。

ちなみに私は展示場が大好きです。ヒーローショーなどのイベントもやっていますし、風船やノベルティグッズももらえるし、何より、建物を見るのは楽しいものです。

ただ、依頼する可能性があるハウスメーカーのモデルハウスで署名するのはご法度です。

展示場で署名すると、展示場のお客として名簿に入り「一定の利益率を確保しなければいけないお客」として登録されてしまうことがあるからです。