男性が85歳まで生きたら平均余命は6.46年

たとえば保険でも、毎月かけ捨てで死亡時に一定額の死亡保険金を受け取れるものがあります。この場合、ある一定以上長生きすると、死亡保険金より支払う保険料の総額の方が高くなってしまう。

自分はせいぜい平均寿命くらいまでしか生きないだろうと考えていたら、意外に長生きしてしまった――。このようなケースは実際によくあります。

平均寿命ではなく平均余命で考えると、自らの介護について考えるときも現実的で間違いがありません。

平均余命で面白いのは、仮に男性が平均寿命を超えて85歳まで生きたとすると、その時点での平均余命は6.46年もあって平均で91.46歳まで生きるのです。90歳の平均余命は4.41年で、平均で94.41歳まで生きる。

もちろん、どんどん該当者は少なくなりますが、長生き家系の人は100歳近くまで生きるという心づもりでいた方がいい。「自分はせいぜい80歳まで」なんて考えていても、そのときになってみなければ寿命など誰にもわからないのです。

「あと何年生きるか」を明確に想定する

還暦を迎えると、誰もが潜在的に死というものを意識し始めます。50歳をすぎたあたりから、同級生や同僚に病気などで倒れたり、亡くなったりする人が出始めます。

自分自身も体力が落ちたり、血圧、肝臓、腎臓の数値が悪化して、糖尿病などの危険信号が点灯したりする。白髪が増えて足腰が弱り、膝が痛くなって、若いころの体ではないことを痛感する――。これは多かれ少なかれ、誰しもが感じていることでしょう。

少しずつ老化が身に染みるようになり、死が間近に感じられるようになる。そして親の死を体験することで、自分の20年後、30年後のリアルな姿として迫るようになります。

人間は死を避けられないのだという現実、割り切らなければならない最大のものが死であるということに、否応なく気づかされるのです。

窓の外を見ている老人
写真=iStock.com/Watchara Gumnerd
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そこで、きちんと準備をしなければならないことがあります。

まず自分の健康状態をしっかりと把握すること。そのうえで、どれくらいまで生きられるか、あるいは生きるのかをざっくりでいいので自分のなかでイメージする。

健康診断や人間ドックなどで、自分の体をしっかりチェックすることは、年齢を問わず大切です。血圧、コレステロール値や血糖値、肝臓や腎臓、心臓の状態を把握して、どこがどの程度悪いのか、今後悪化していった場合、どれくらいでどんな状況になるかをあらかじめ想定しておきます。