「赤ちゃんポスト」にも厳しい指摘

もう一つ、2007年5月15日付高市ブログ「いわゆる『赤ちゃんポスト』について」にはこうある。

慈恵病院理事長が「こうのとりのゆりかご」設置を発表されて以来、「子供の命を守るためには『赤ちゃんポスト』を全国各地に設置すべきだ」といったご意見を新聞の読者欄で目にしたり、私宛のお手紙でいただいたりもするのですが、私は全国各地に同様のものを設置することには賛成できません

理由として違法性の指摘をしつつ、次のように「親の責任」を説いている。

第3に、子供を育てるという親の責任を放棄することを、世の中全体で容認してしまってはいけないと思います。
第4に、「未成年者が望まぬ妊娠をした場合に、赤ちゃんポストが必要」とのご意見もありましたが、そもそも新しい生命を授かることの尊さを認識していただくことが重要だと考えます。道徳教育や性教育のあり方は政治の場で議論されるべき課題ですが、それ以前に「妊娠してしまったらポストがあるし・・」という環境を整えるべきだとは思いません

(2007年5月15日付高市ブログ「いわゆる『赤ちゃんポスト』について」より)

いわゆる『赤ちゃんポスト』について
高市早苗首相の公式サイト「コラム」欄のアーカイブより

「社会保障のただ乗り」を許さない

「親としての責任」を説くこと自体は、保守派らしく伝統的な価値観を尊重する姿勢のあらわれとも言える。

しかし、赤ちゃんポストの利用者は、経済的に困窮しているとか、DV被害者であるなど、やむにやまれぬ事情があって利用しているとされる。そうした状況の人に「親としての責任」を説く高市氏の論調からは、「社会保障のただ乗りを許さない自己責任論者」の厳しさを感じてしまうわけだ。

こうした記事以外にも、「社会保障へのただ乗り」を批判する記事や、自己責任論を肯定する記事が高市ブログには散見されるのである。

そもそも高市首相は松下政経塾を出て、アメリカに渡り、帰国後はテレビに出演して有名になった。その点では「グローバルエリートの一人」と見ることもできる。

こうした経歴からしても、「伝統を重んじる保守派」の印象が薄いのである。