原点は米民主党リベラル派議員の事務所

松下政経塾の出身者といえば、野田佳彦氏や前原誠司氏といった旧民主党系議員の顔ぶれも目立つ。

また、高市首相がかつて働いていた「アメリカ下院議員事務所」とは、パトリシア・シュローダー議員の事務所のことだが、シュローダー氏は民主党で、かなり過激なリベラル派の政治家として知られている。

現在“保守強硬派”のはずの高市氏は、なぜアメリカ民主党のリベラル派議員のもとで働こうと思ったのか。

しかも、高市首相は2008年11月に民主党のオバマ氏が大統領選に当選した際、ブログに興奮気味の文体でこう綴っている。

オバマ上院議員が勝利宣言、来年1月には、アメリカ合衆国大統領に就任されることになりました。
大親友がオバマ陣営で働いていたこともあって、先程、お祝いメールを送ったところです

(2008年11月5日付高市ブログ「オバマ氏が、米国大統領選挙で勝利!」より)

オバマ氏が、米国大統領選挙で勝利!
高市早苗首相の公式サイト「コラム」欄のアーカイブより

本音は「トランプ嫌い」で、演技している?

オバマ氏といえば、トランプ大統領からも激しく批判されており、保守派にとって敵とも言える政治家のはずだ。2008年時点のこととはいえ、保守強硬派のはずの高市氏がオバマ氏の当選を喜んでいるのは違和感がある。しかもオバマ陣営に大親友がいるとまで書いているのだ。

3月の訪米時も積極的にハグしにいくなど、トランプ大統領に媚びていると批判されがちな高市首相だが、オバマ氏への態度を見ると、案外本音は「トランプ嫌い」なのかもしれない。本音はトランプ氏が嫌いな分、過剰に愛想良く振舞おうとしている。だからどこかウソくさく、演技っぽい振る舞いが目立つのではないか。

そもそも高市首相が尊敬する政治家といえばマーガレット・サッチャーだ。サッチャー氏はかつて「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる手厚い社会保障で知られたイギリスに、市場原理主義を持ち込んだ新自由主義の政治家であり、「伝統を守る保守派」というよりは「伝統を破壊した政治家」だ。

この辺りの状況証拠を見ていくと、高市首相が本当に保守派なのか、根の部分ではリベラル寄りなのではないか、という疑問を抱かざるを得ない。