ただし“日本側の慢心”は否めない

ここまで見ていくと、インドネシアが中国に接近したこの10年は、投資額は増えてはいるものの、インドネシアが豊かになったかと言われればそう言い切れない部分が大きい。ニッケルを主要な成長エンジンにして、EV産業を国内で打ち立てる戦略も狂ってきている。インドネシア側も「中国が頼れるパートナーなのか、疑念の声が強まっている」(インドネシア政府関係者)。

中国とインドネシアの国旗
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日本は現在、インドネシアで日本企業が製造業を中心に雇用を数百万人規模で生み、教育・訓練してきた実績がある。また、インドネシアの独立以降、様々な形で支援してきた歴史もある。

ただ、近年は特に政府間で日本とインドネシアの人的ネットワークがさびつき、中国に遅れをとってきた。ここに日本側の慢心があったことは認めなければならない。

プラボウォ側近や政府高官とも通じる日本の関係者は危機感を隠さない。

「中国企業のロビイストはインドネシアの要人の個人事務所に3時間でも5時間でも列を成して待っている。まるで昔の日本のビジネスパーソンだが、このような情熱が今はなくなった。駐在員でせいぜい3〜5年で帰国する『旅行』みたいな人事制度が改まらない限り、中国や韓国には絶対に勝てない。特に政府・大使館は現地専門官の育成などの努力が全く足らず、『インドネシア側と会議をしたら仕事は終わり』という風にしか見えない。より踏み込んだ関係構築が必須だろう」。

(外務省「Fact Sheet Strengthening Japan-Indonesia Bilateral Cooperation for the Next Generation」)

新幹線“受注失敗”の教訓を生かすとき

プラボウォ大統領が3月29日から31日の日程で大統領として初めて日本を公式に訪れた。

イラン情勢の悪化により世界中で価格が高騰している石油について、インドネシア側は日本の備蓄の譲渡支援を求めたと考えられる。インドネシアは産油国にもかかわらず精製能力が不足しているためだ。

ホルムズ海峡を航行する貨物船
写真=iStock.com/znm
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日本はここで新幹線輸出の教訓を思い出してほしい。石油の支援に安易に応じるのではなく、強力な外交カードとして生かすことが求められる。たとえば、日本企業の優遇策を求めるなど交渉し、この10年は中国から日本に接近するように強く求めるべきだろう。

インドネシアはとっくに「言う事を聞く親日国」ではなく、「自身の利害を貪欲に求めるダボハゼ的なパートナー」となっていることにもっと真剣に向き合わなければならない。

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