私の顧客で、東海地方で医療法人を経営するY理事長も、意識的に読書のための時間を設けているひとりだ。
Y理事長は、年間200冊の本を買って、そのうち100冊を読む。
このとき、200冊買ったうちの100冊は読まないというのがポイントである。つまり、買ったけれど、読む気になれない本はどんどん捨てて、残りの100冊だけをしっかりと読む。
そのうえで、そのうちのおよそ50冊の内容を読書記録として、ブログにまとめる。ただ読むだけでなく、そのくらいしつこくやって、はじめて頭に残る。
Y理事長の専門は神経科学だが、脳を知る医師の見地からいうと、このようにしてまとめておいたものを、自分の記憶が薄れてきたときに見直すと、たんなる知識でなく、実感をともなった知恵として残るのだそうだ。つまり、ブログに書くのは、人に向かって発信するだけでなく、自分のためでもあるわけだ。
もうひとつ、Y理事長の本の読み方の特徴といえば、読んで役に立つと思ったことは、必ず実践するということだ。
たとえば、経営コンサルタントの小宮一慶さんの本を読んで、「月曜日の日経新聞の朝刊は必ず読む」と書いてあるのが気になったら、自分でも実践する。「百貨店の売上高の前年比率をチェックする」とあれば、自分でもやってみる。小宮さんが紹介しているなかで「自己実現とは、なりうる最高の自分になること」というフレーズが気になれば、人にもそのフレーズを紹介する。
ところが、ほとんどの人は本を読むのにも工夫がない。読むには読んでも、ただ読んで終わりなのだ。実際、Y理事長が薦めても、この本の読み方を試す人はほとんどいないそうだ。
理事長の現在の年収は1億7000万円。とてつもない報酬を目指すのであれば、まずはここから真似してはどうだろう。
【年収1億を生む黄金則】本を読むときは、漫然とではなく「目的」をもって読む。
(※『プロフェッショナル ミリオネア』(プレジデント社刊)第2章「学ぶ、人にあげてもらう」より)