年収700万未満では家族が待てない

また、結婚したくない若者が増えているという論も、必ずしもはじめからそうだったわけではなく、不本意未婚の結果として「結婚を諦めた」または認知的不協和から「最初から別に結婚なんてしたくなかった」という流れでそうなった場合も少なくありません。

つまりは、若者が結婚したいと思っている時期に結婚できない問題が存在し、その理由の多くは「経済的理由」にあります。

事実、結婚も子どもを持つことも経済階級で決定され始めています。しかも、その傾向はここ10~15年くらいで急激に進行しました。

住宅・土地統計調査より、2013年と2023年とで、各世帯年収別に子のいる世帯の割合を年代別に分けて比較したものが以下のグラフ(図表1)です。

【図表】世帯年収別「夫婦と子世帯」割合 2013・2023年比較

まず、40代から見ると、年収別の割合が減っているのは700万円未満で、もっとも減少幅が大きいのが300万~500万円世帯で▲9pt、30代も同様700万円未満世帯はすべて減少で、300万~500万円世帯は▲16ptと減少が最大になります。20代になると、すべての年収帯で減少している上に、300万~500万円世帯は▲14ptと落ち込んでいます。

このように、どの年代においても、年収700万円未満はすべて減少、もっとも人口ボリュームが多い300万~500万円の中間層帯で最大の落ち込みです。昨今の少子化、出生減、婚姻減とはまさしく20~30代でこの300万~500万円では家族を作ることができない問題であると結論づけられるわけです。

「結婚=お金の問題」という現実

もちろん、この数値は全国値なので、東京などとの大都市と地方とでは差があります。過去記事で、各都道府県の中央値でどれだけ未婚があるかを示しましたが、もはやほとんどの都道府県ごとの中央値では結婚できなくなっているという事実があります(参照:このままでは「未婚率70%」の時代が訪れる…日本の若者に蔓延する「子育てはコスパ悪い」という深刻な呪い)。

「金がないから結婚できないなんてことはない」という意見が既婚者から寄せられますが、中央値の年収で結婚できない現実は「結婚は金の問題である」ことを証明するものです。

【図表】都府県別30代未婚男性中央値年収未婚率比較