高級ラインを手掛ける子会社の解散を決定

仕事と趣味を兼ねて、移動中に人々の服装を眺めていると、マストレンドがぼんやりとわかってきます。そのマストレンドの一つとして最近ひしひしと感じるのが、ビジネスマンの服装のカジュアル化です。2020年代になり在宅ワークが定着すると、Tシャツにジャケットスタイルも珍しくなくなりました。銀行の営業担当者のような「お堅い仕事」と呼ばれるような人々でもワイシャツ・ノーネクタイが珍しくなくなっています。その流れを汲んでか、足元を革靴で固めている人も随分と少なくなり、スニーカーを履いている人や、革靴っぽいスニーカーを履いている人が大幅に増えたと感じます。

これは相当に革靴需要が減っているだろうなと思わずにはいられません。

アッパー素材が主に本革や合皮で作られている革靴は、繊維素材のスニーカーに比べて硬く、また靴幅が狭いことも相まって、履き心地、歩き心地の観点から劣ります。靴底も革底はもちろんのこと、価格帯によってはゴム底のものもありますが、そのゴム底でさえクッション性ではスニーカーにまったく太刀打ちできません。革靴とスニーカーとでは、一日立ちっぱなし、歩きっぱなしの日の足の疲労度は段違いです。普段使いする「履物」において、楽なほうに流れるのは極めて当たり前の選択です。

(文=南 充浩)