「印象に残ること」の大切さ
当時は、どの雑誌にも「読者アンケートはがき」が付いていました。そのアンケートにはスタイリングの人気投票があり、毎号、「好きなコーディネート」「嫌いなコーディネート」が発表されていました。
編集長が言うように、嫌いなコーディネートに入るのは決して喜ばしいことではありません。それでも多くの読者に、「あれは全然好きじゃなかった」という印象を強く残したことだけは確か。好きなコーディネートにも嫌いなコーディネートにも入らなかったページよりもずっといい、というわけです。
これは、個人にも当てはまる話ではないでしょうか。
「印象に残らない人」は、知らないうちにチャンスを遠ざけているかもしれません。
そこで、「上質」「洗練」「華やかさ」が必要となるのです。
もう少し解像度を上げると、私の考える「上質」とは、カシミヤやシルクのような「素材のよさ」、「洗練」とは「無駄のないデザインやシルエットのバランス」、そして「華やかさ」とは「光沢感と艶やかさ」のことです。
たとえば、同じ「ブラックのスーツ+ホワイトのシャツ」という組み合わせでも、この3要素を取り入れるだけで、その完成度は大きく変わります。“トレンドが感じられる上質な”スーツに、“光沢感のある”ホワイトのシャツを合わせるだけで、一気に「印象に残る」装いに変わるのです。
キーワードは「上質・洗練・華やかさ」
「信頼をまとう」の基本は「ベーシックを着こなす」ことです。
第一印象で信頼を得る装いは、「ベーシックなのに無難ではない」と言っていいでしょう。
だからこそ、服を買うときは、常に「上質」「洗練」「華やかさ」を念頭に置くこと。
・シンプルなネイビーのカーディガンでも袖口、裾などにトリミングが施されている
・シンプルなグレーのニットでも、控えめなラメ糸が編み込まれ、光沢感がある
形がシンプルなアイテムでも、さりげなく、それでいてひと味違ったデザインであれば、「洗練」された印象になります。
「神は細部に宿る」と言いますが、ファッションにおいてはまさに「美は細部に宿る」。細かな部分へのこだわりこそが、全体の価値や美しさを決定づけるのです。
服を買うときは、色や形だけでなくディテールにまでこだわる。決して華美でも派手でもなく、計算された「さりげなさ」を大切に選んでください。


