「私生活を大事にする=いい加減」ではない
「就活をしている際に、いかにも期待されている感じがある会社に入ると、仕事が忙しくなり、定時帰りがしにくく、私生活が浸食されそうな感じがして、そこは避けないとまずいと思いました。私は、もちろん仕事は嫌いじゃないし、むしろ仕事へのモチベーションは高いほうで、他の人よりかなり仕事はできるという自信はあります。
でも、仕事=人生っていうような淋しい生き方はしたくない。仕事がすべてという人を見ると、何だか淋しい人だなって思ってしまうんです。組織のために生きるのは就業時間内の生活として、それ以外の私生活は自分の好きなように過ごしたいから、残業や休日出勤はしたくないんです」
このような言い分をみると、けっしていい加減な人物ではなく、しっかりした考えに基づいて自分の仕事に対するスタンスを決めていることがわかる。
これには価値観の多様化が関係していると思われる。もちろん経営者に限らず、仕事そのものに意味を感じる人、仕事を頑張ることが生きがいになる人もいるだろう。でも、すべての従業員が「仕事がすべての生活」を望んでいるわけではない。仕事に何を求めるか、人生の中に仕事をどのように位置づけるか。それは人それぞれである。
「安定か、挑戦か」人生を左右する仕事選び
将来にわたって安定した生活が保障されるような仕事に就きたいから、潰れないような安定した会社に転職したいという人は、なぜそのように考えるようになったのかについて、つぎのように自己分析している。「自分が子どもの頃、親の勤めていた会社が倒産したせいで、貧しい暮らしに追い込まれ、進学も諦めなければならなかった。
だから、倒産しないような安定性を求める気持ちが、自分は人一倍強いのだと思う。仕事のやりがいとか高収入といった条件も、もちろん気にならないわけではないけれども、やはり会社が潰れてしまったらおしまいだから、何と言っても安定性にこだわりたい」
それに対して、仕事のやりがいに対するこだわりが非常に強い人は、自分の中の思いについて、つぎのように語る。
「自分の力を十分発揮できる仕事、思い切りチャレンジしてるって実感できるような仕事にたずさわれる会社で働きたい。そのためには、すでに仕事の流れが確立し、歯車のひとつにされてしまいそうな大企業よりも、これから創意工夫の余地が大いに残されているベンチャー企業のほうがいいんじゃないかって思う。
ベンチャー企業の場合は、失敗して潰れるリスクもあるし、不安がないと言ったら嘘になるけど、今の時代、いざとなったらアルバイトで食いつなぐこともできるし、とりあえず仕事のやりがいにこだわった選択をしていきたい」

