「飲んでも太らない」は大きな誤解
ところで、「アルコールはエンプティーカロリーだから、飲んでも太らない」という話を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、大きな誤解です。「エンプティーカロリー」というのは、カロリーが空っぽという意味ではなく、「生きるために必要な栄養素が含まれていない」「摂っても栄養素として活用されない」という意味なんですね。
だから「飲んでも太らない」わけではありません。むしろ逆であり、アルコールをたくさん飲めば、必ず太ります。アルコールには、1gに約7kcalという高いエネルギーが含まれていて、アルコールを1日60g(5%ビール500ml3本分)摂っている多量飲酒者は、それだけで約420kcalのエネルギーを摂取していることになります。
当然、アルコールを飲む以外に普通に食事で栄養を摂っているとすれば、過剰栄養で太ってしまうことになりますよね。
しかも、先ほど述べたように、アルコールには脂肪を蓄積する働きを高めて、脂肪を消費する働きを阻害する作用があるわけで、飲み続けていれば、体内の脂肪が確実に増えることは間違いありません。
そのため私は、講演などで「飲酒習慣は『4回目の食事』と考えたほうがいい」と話しています。つまり、お酒好きの方がやせるには、その「4回目の食事」をどれだけ減らせるかがカギになってくるわけです。
「醸造酒」と「蒸留酒」の違い
また、アルコールが好きな人にとっては、「どんなお酒が太りやすいのか」というのも気になるところでしょう。
みなさんご存じのように、アルコールは大きく「醸造酒」と「蒸留酒」に分かれます。醸造酒はビール、日本酒、ワインなど、麦や米、ブドウなどに酵母菌を加えて発酵させたものであり、糖質が含まれています。
一方、蒸留酒は焼酎、ウイスキーに代表される、原料を発酵させた液体を蒸留したもの。こちらの場合、糖質は含まれていませんが、醸造酒に比べてアルコール度数が高くなります。
みなさんは当然、糖質が含まれている醸造酒のほうが太りやすく、糖質ゼロの蒸留酒のほうが太りにくいと思うでしょう。ただ、蒸留酒の盲点は、糖質はゼロでもアルコール度数が高い点です。
たとえば、市販されている同量のビールとハイボールとを比べると、ハイボールのほうがアルコール度数が高い分、高カロリーとなります。また、焼酎やウイスキーは、ソーダや甘い炭酸で割ったり果汁フレーバーが加えられていたりすることが多く、それらに含まれている糖質をプラスすると、かなりの高カロリー飲料になっていることが少なくありません。
さらに、たとえアルコール度数は低くても、果糖やブドウ糖を加えて飲みやすくしたカクテル・サワーは、先述した通り、肝臓にとってかなり危険な「甘い飲み物」だと思ったほうがいいでしょう。
飲み口がよく、ジュースのように甘くておいしいからといって、毎日夕食時に飲んでいたりしたら、それだけで脂肪肝になってもおかしくありません。
少なくとも、脂肪肝、糖尿病、肥満が気になる方は、甘いアルコール飲料を気軽に飲むのは控えたほうがいいと思います。

