「ふわっ」とした指示の適切な受け取り方

「親子で楽しく食べられるパンを開発してください! 10月30日の地域のお祭りに間に合わせたいです。よろしくお願いします」

なんとも「ふわっ」としたメッセージ。そして、このひと言だけでは、受け取ったあなたもおそらく「モヤッ」とすることでしょう。

気にすることはありません。このような「ふわっ」としたオーダー(依頼)から始まる仕事など日常茶飯事、世の常ですし、受け取った人が「モヤッ」とするのもあたりまえ。この、「ふわっ」「モヤッ」を「スッキリ」に変えていくために、「目的」「インプット」「成果物」「関係者」「効率」という「仕事の5つの要素」があります。

まずは、この「仕事の5つの要素」に沿って、あなたなりに不明点を明確にしていくための「問い」を立ててみます。今回の依頼内容に対する「問い」と想定の一例を挙げてみますので、一緒に考えてみてください。

問いと想定
●1 目的→新商品開発の背景や狙いは?
  • ・何のために新しいパンを開発するのか?
    ・地域のお祭りで売る狙いは?
    ・親子向けとしている目的は?
    ・「楽しく食べられる」の狙いやイメージは? 「楽しい」とはどのような状態を指すのか?

新商品開発の目的を「地域のお祭りを盛り上げること」と考えたとします。そのとき、とにかくお祭り期間だけの売り上げ増を目指すのか、それとも、お祭りはあくまできっかけにすぎず、その後も新たなラインナップとして売り続けたいのかによって、開発すべき商品は変わってくるかもしれません。

また、「親子向け」としている背景についても考えておく必要があるでしょう。単に新しい客層を取り入れたいこともあれば、その客層が訪れる特定の曜日や時間帯を狙っていることもあるかもしれません。

さらに、「楽しく食べられる」のイメージも、人によって千差万別です。激辛の風味でゲーム的に盛り上がることをイメージする人もいれば、キャラクターパンのビジュアルを楽しむことだと思う人、さらには、一緒に作るプロセスも含めて楽しむことだと考える人もいるかもしれません。

集めて知っておくべき情報の種類

●2 インプット→必要なデータ・食材の仕入れ先を明らかにする
  • ・原材料には何を使うか?
    ・地域の親子のライフスタイルや行動パターンの特性を知るための情報や情報源(ソース)はどこにありそうか?
    ・今どきの親子のトレンドは? 何(キャラクターなど)が流行っていて、何がウケそうか? それを知るための情報源はどこにありそうか?
    ・価格設定や売り方を検討するための判断基準やデータは? 決めるための参考情報や知識はどこにありそうか?
    ・パンを安全安心に提供するために知っておくべき情報は?

親子にいい店舗体験をしてもらうために、スタッフに施したい人材育成要件は?子どもが対象ということで、「健康にいいパン」を目指すのであれば、無農薬栽培の小麦や食材を仕入れることが考えられます。

レーズンパンのスライスとコーヒーカップ
写真=iStock.com/Yasuko Inoue
※写真はイメージです

また、地域(今回の場合は所沢市の店舗近隣)に住む人の特性、たとえば高くてもいいものを好むか、なるべく安いものを好むのかなども考えます。今のトレンドなども知っておいたほうがいいでしょう。

安全安心な提供という面では、食物アレルギーの品目リストやガイドラインのチェックが考えられます。接客スタッフの育成については、マニュアルを整備するのか、接遇研修を受ける体制を整えるのかなど、考えておく必要があるかもしれません。