世界が呆れた日本軍の自作自演

最近はどこの国でも、何か事件が起こると「偽旗にせはた作戦だ!」[偽旗作戦:あたかも他の存在が事件を引き起こしているかのように振る舞う軍事作戦]と叫ぶ者が出てくるが、1931年頃は、偽旗作戦はまだ比較的めずらしい手口だった。

日本は自らの鉄道の一部を爆破し、「中国人のテロリスト」にその罪をなすりつけた[柳条湖事件(3)]。それが、彼らが欲していた口実だった。ちゃちな手口だったこともあり、ほかの国々はすぐにこの計画を見抜いた(4)。国際連盟はおおいに動揺したが、具体的で有効な行動は起こさなかった。

満州事変のきっかけとなった柳条湖事件の鉄道爆破地点
満州事変のきっかけとなった柳条湖事件の鉄道爆破地点(写真=太平洋戦争研究会編『満州帝国』河出書房新社/PD-Japan-oldphoto/Wikimedia Commons

その後、日本軍は満州を占領し、満州国の建国が発表された。

(3) 満州国以前、日本はしゃくに障る中華民国の軍事指導者を消すために列車を爆破していた。要するに、彼らはちょっとした練習を済ませていたのである。
(4) 嘘の可能性:バチカンが満州国を承認した国の1つであるという噂は、ベルトルッチの『ラストエンペラー』で広く知られるようになったが、これは間違いである。ただし、バチカンが使節を派遣したのは確かだ。