「やせ」は認知症への近道

やせることのリスクは、高齢者が最も恐れる認知症にもおよびます。

山梨大学や愛知県が2010年から約6年間行った高齢者追跡調査(約4000人対象)において、男女ともに「やせている人(BMI18.5未満)ほど認知症の発症率が高い」という結果が出ているのです。

その理由は低栄養にあります。食が細くなり栄養が不足すると、脳に必要なエネルギーや、神経伝達物質の材料(たんぱく質や脂質)が届かなくなります。また、筋肉が落ちて動くのがおっくうになると、脳への刺激も減ります。

●栄養不足で脳がガス欠になる
●体力が落ちて活動量が減り、脳がサボりだす

ベッドに座っているうつ病の年配の男性
写真=iStock.com/Filmstax
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やせている人は、この二重のリスクによって認知機能の低下を招きやすいのです。逆に、見た目が実年齢より10歳も20歳も若く見える人は、肌がツヤツヤしたふっくら体型の人が多いです。しっかり食べているためたんぱく質が充足しており、肌の張りもよく、免疫力も高く保たれています。

高齢者がダイエットで体重を落とすことは、認知症のリスクを自ら招き寄せる行為なのです。

ダイエットより“安定体重”を目指す

65歳をすぎたら、体重管理で目指すべきは減量ではなく、「安定」です。

具体的には、今の体重が「ちょいデブ(BMI25〜30)」の範囲にあるなら、それをキープすることが最大のミッションです。もし今、あなたがやせ型であるなら、少しでも増やしてちょいデブに近づけることが目標になります。

一番怖いのは体重が乱高下すること、特に急激に減ることです。毎朝体重計に乗り、グラフが右肩下がりになっていないかを確認しましょう。

もし減っていたら、「昨日は動いた割に食べていなかったな」と反省し、その日の食事を増やす。逆に、少し増えすぎて体が重いと感じたら、翌日の炭水化物を少し控えて調整する。

このように、体重計の数値を常に確認して微調整を繰り返しながら、ベストなちょいデブ状態を維持するようにしてください。