日本の不動産市場の「不都合な真実」

小嶋氏が日本の不動産市場に対して最も懸念しているのは、人口動態だ。

日本の総人口は16年連続で減少しており、2070年には9000万人を割り込むと推計されている。一方、アメリカはG7の中で数少ない人口増加国であり、住宅需要の底堅さが期待できる。

日本の不動産市場は、「値上がり神話」という共同幻想に依存しすぎている。

小嶋氏は、「人口減少という構造的現実の前では、その物語は遅かれ早かれ破綻する」と予測する。

さらに小嶋氏が指摘するのは、湾岸タワマンの「構造的リスク」だ。

「晴海や豊洲は、そもそも埋め立て地ですよね。地震リスク、液状化リスクをどう考えていますか? 大規模修繕の費用負担は? タワマンの修繕積立金は平均で毎月1万4000円程度ですが、実際に大規模修繕が始まったら、その何倍もの負担を求められる可能性がある」と述べる。

東京都江東区豊洲の高層マンション
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円安でも、なぜアメリカ不動産なのか

「投資するなら、湾岸タワマンではなく、アメリカの不動産を買うべき」というのが小嶋氏の持論だ。

ここで当然の疑問が浮かぶ。円安が進む今、ドル建ての資産を買うのは不利ではないのか?

小嶋氏は首を横に振る。

「逆です。円安だからこそ、ドル建て資産を持つべきなんです。円の購買力が落ち続けている今、円だけで資産を持っているのはリスクです」

アメリカ不動産の魅力は、人口増加と経済成長に支えられた「価格上昇の持続性」にある。住宅価格は過去30年で約6倍に上昇しており、ジョージアやアラバマなど、物件価格が比較的安く人口増加率が高いエリアでは、10%前後の利回りが期待できることもある。

アラバマ州
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小嶋氏が提案するアメリカ不動産は、「人口増加」「経済成長」という、より堅固な条件に裏打ちされている。

「ベネフィットがリスクを上回れば、消費者は動く」。これはマーケティングの鉄則だ。

小嶋氏が20年近くこの市場で勝ち組として生き残っているのがなによりの証明だろう。