被害女性たちの思い

だが、被害を受けた女性たちは諦めなかった。

Amazonプライム『サバイビング・ジェフリー・エプスタイン アメリカの闇』(2020年製作)の中で、多くの被害者が実名で顔を出して、「少女の時、エプスタインとギレーヌから受けた性的虐待」を語っているが、その中の1人がこういっている。「1人だけでも誰かを助けたい」。この思いが多くの被害者たちを立ち上がらせたのだ。

その熱意と証言がついに警察とFBIを動かした。

2019年7月6日、パリから自家用機で帰国したエプスタインが逮捕されたのである。容疑は、2002年から2005年までの間、マンハッタン、ニューヨーク、パームビーチの自宅、バージン諸島の島で、14歳を含む未成年の少女数十人に対する性的虐待だった。

だが、同年8月10日、勾留されていたニューヨーク州の矯正施設内で、エプスタインは首を吊って自殺してしまうのだ。

だが自殺ではなかったという見方もある。エプスタインが自殺警戒監視リストから削除されていたこと、エプスタインが著名人や権力者たちのスキャンダルを握っていたことなどから、殺されたのではないかという説もいまだに消えていない。

マー・ア・ラゴにて、安倍晋三首相、ドナルド・トランプ大統領、メラニア・トランプと安倍昭恵さん(2017年)
マー・ア・ラゴにて、安倍晋三首相、ドナルド・トランプ大統領、メラニア・トランプと安倍昭恵さん(2017年)(写真=内閣官房内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

エプスタインとトランプの蜜月

そのエプスタインとトランプは、いつ頃どのようにして知り合ったのだろうか?

ForbesJapan.com(2025.07.25 08:00)によると、トランプがフロリダ州パームビーチの歴史的建造物「マー・ア・ラゴ」を購入したのは1985年という。

エプスタインは90年に同地に拠点を構えており、同じパームビーチで出会ったとしている。

また、ニューヨーク・タイムズによると、トランプは1992年、マー・ア・ラゴで開いた“カレンダーガール”パーティーに、客を2人だけ招待したという。その1人がエプスタインだった。

さらにCNNが発見した写真から、1993年12月にニューヨークのプラザホテルで挙行されたトランプと2番目の妻マーラ・メイプルズの結婚式に、エプスタインが出席していたことが判明したという。

また、トランプがエプスタインのプライベート機に何度も乗っていたことも、フライトログに記録されているそうだ。

1995年には、後に性的暴行で訴え出るマリア・ファーマー(当時20代半ば)が、エプスタインからニューヨークのオフィスに呼び出されると、トランプが現れたと証言している。

トランプはファーマーにまとわりつき始めたが、エプスタインが「違う、違う。彼女はあなたのためにここにいるんじゃない」とトランプをたしなめたと、ファーマーが米連邦捜査局(FBI)に話したそうである。