手帳に書かれたトランプの名前
彼女は精力が有り余るエプスタインのために、少女たちに声をかけ、エプスタインの豪邸に引き込み、エプスタインの性加害の現場にも立ち会い、自らも彼女たちに性的虐待をしていたのである。
ギレーヌはエプスタインに少女を紹介する前に、彼女たちの家庭環境や幼い頃に性的虐待を受けたことがあるか、執拗に聞いていたと、被害者の女性たちが証言している。
そうした少女たち(中には14歳の子もいた)をカネと権力で押さえつけ、性の奴隷にしていたのだ。
また、エプスタインは少女たちを知り合いの著名人たちに“斡旋”することもやっていた。
エプスタインの持っていた小さな手帳には、1571人の名前、電話番号、住所が97ページにわたって書かれていたと、アメリカの多くのメディアが報じている。その中にはトランプの名前もあったといわれている。
エプスタインの屋敷はもとより、「エプスタイン島」といわれていたバージン諸島の無人島には、いたるころにビデオカメラが設置されていたという。手帳とともに多くのビデオが金庫の中に収められていたそうだ。
逮捕されたのにたった13カ月で出所
エプスタインは、少女たちを知人の著名人や権力者たちに紹介して、その人間たちの弱みを握ることで、極秘情報を得て資産形成に生かしたり、まさかの時、自分に有利になるよう人脈づくりをしてきたと思われる。
それが生きたのが、2008年にエプスタインが児童性愛の容疑で逮捕された時だった。エプスタインの豪邸に少女たちが出入りしていることが警察の知るところとなり、勇気ある被害女性の告発もあった(当時、ギレーヌは逮捕されていない)。
「児童性愛」は重罪である。だが、この事件の担当だったアレクサンダー・アコスタ連邦検事が、エプスタインの「売春の勧誘」と「未成年への売春の斡旋」だけを有罪にし、性犯罪者として登録するが、連邦レベルでの起訴は免れるとする特例的な「司法取引」をしてしまうのである。
エプスタインは禁錮18カ月という軽い刑を受けて刑務所に入ったが、外出自由という超特別待遇で、収監から13カ月で出所してしまう。
裏で何が行われたのか、誰が連邦警察に圧力をかけたのか、真相はわからないままだが、何人かの権力者と莫大なカネが動いたとみて間違いないだろう。

