中年以降に複数のことを並行してできない

若いときは並行してさまざまな仕事ができたのに、中年以降から1つのことしかできなくなってしまった――。そうお嘆きの方もいるのではないでしょうか。

いつも同じ脳番地ばかり使っていることが最大の原因です。

長年、1つの脳番地だけを使い続ける、つまり特定のことばかりに専門化すると、物事を並行してできなくなります。

自分が毎日やっていることはすぐできますが、やっていないことは並行してやりづらくなってくるのです。家と会社の往復のみ、それも家には寝に帰っているだけのような会社員は、料理しながらゴミ出しの準備、子どもの宿題を見ながら洗濯物を取り入れるなど、複数のことを同時にやることがとても苦手です。

疲れていると集中力がなくなる理由

現代人は思考系脳番地をよく使います。

しかし、「過ぎたるは、及ばざるがごとし」です。思考系をよく使う人は、使いすぎによって、次第に働きが弱くなることがあります。

複数のことを並行してやるというのは、思考系脳番地にかなりの集中力を要します。非常に疲れている場合などはほとんど不可能です。

加藤俊徳『脳は右から若返る』(大和書房)
加藤俊徳『脳は右から若返る』(大和書房)

読者の方にも経験があるかもしれません。会社から疲れて帰ってきたのに、家族から相談事をもちかけられる。そんなときに出てくる言葉は、

「お願い、あとにして。今は疲れているから」

ではないでしょうか。

それは、「もう思考系脳番地を使いたくないほど疲れている」ということなのではないでしょうか。つまり、集中力がなくなっているわけです。

そんなことはおそらく意識していないでしょうが、「集中力がない=思考系脳番地が働かない」ということです。

言葉にすれば、「今は休むことに集中させてください。明日、思考系脳番地が元気になったら話を聞きます」

です。ですから、

「その話は明日にして」

というのは、言われたほうにしてみれば、

「話も聞いてくれない」

と理不尽に感じるかもしれませんが、疲れた脳にとっては理にかなった言葉なのです。

自分がやりたくないこと、できなくなったことは、疲れている脳の状態を反映した結果でもあるのです。

「複数のことが並行してできなくなった」という自覚は、脳を休ませたり、使っていない脳番地を使ってみたりするなど、脳コンディショニングをしたほうがいいというサインといえるでしょう。

使っている脳番地は休ませ、使っていない脳番地を使うことこそが脳コンディショニングの基本です。

*「脳番地」(登録第5056139 /第5264859)は脳の学校(登録4979714)の登録商標です

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