今年5月15日、環境によい商品を購入すれば、ポイントがもらえ、他のエコ商品や商品券と交換できるエコポイント制度がスタートした。その結果、対象商品となる地デジ対応の薄型テレビ、冷蔵庫、エアコン――いわゆる“グリーン家電”の売れ行きが堅調だ。政府が音頭をとった取り組みだが、経済活性化策としては効果を挙げつつあると見ていい。
家電品の市場調査を手がけるGfKマーケティングサービス ジャパンが行った販売動向調査によると、制度開始から7月中旬までの3カテゴリーの対前年比(金額ベース)は14.58%増。薄型テレビで29.08%増だった。同社経営企画室の纐纈(こうけつ)潤子さんは「制度発表後の4月には買い控えが起きた。しかし、開始直後は上り坂となり、マイナス分をカバーした」と分析する。
3商品のうち、2011年に完全地デジ化を控えたテレビは、今回の措置が買い換え需要を刺激し、スタート直後は数量で対前年比4割増。冷蔵庫は、容積500kl以上のものが売れ、金額で伸びた。「大容量なのに省エネという点は、まさにエコ向き」と、纐纈さんは評価する。一方、エアコンは気候に影響を受けやすく、冷夏気味でボーナス商戦は苦戦を強いられた。
ところで、このエコポイントは今年度いっぱい実施される。その間、大型商戦のヤマは年末および年始、春の進学・就職や企業の人事異動シーズンにやってくる。問題は、それまでに景気がどこまで回復するかだろう……。可処分所得が増えないことには、消費に弾みはつかない。
(ライヴ・アート=図版作成)