TTOはトランプ氏の公式ブランド商品を販売する「トランプストア」を運営し、「MAGA」や「Trump」などメッセージ入りの帽子(55ドル)、Tシャツ(38ドル)、トレーナー(82ドル)、ネックレス(25ドル)、パーカー(92ドル)の他、聖書、絵本、ウォッチ、ギター、香水など幅広い商品を取り揃えている。
ニューヨーカー誌の記者で、トランプ氏とその一族の財政状態に関する詳細な調査報道を行っているデイビッド・カークパトリック氏は、選挙グッズの販売についてこう語る。
「トランプ一家はとても革新的でした。彼らは「トランプ」ブランドの商品を販売することで、まるでトランプ陣営やMAGA運動を支持しているかのように見せかけていますが、実際にはそのお金は彼らの懐に入るのです」(NPR、2026年1月14日)。
トランプ氏が見つけた“法の抜け穴”
次に選挙資金の私的流用についてだが、通常、候補者の陣営が集めた選挙資金を弁護費用に充てることはできないが、トランプ氏はその抜け穴を見つけた。
米国には特定の政治目標を共有する人々から資金を集め、候補者への献金や選挙広告を通して政治に影響を与える「政治活動委員会」(PAC)と呼ばれる組織があるが、それに関する規制は緩い。そこでトランプ氏は選挙資金をPACへ移管して、自身に対する訴訟の弁護費用に充てることを考え出したという。
実際に選挙資金を弁護費用に充てた訴訟には、2016年の大統領選挙期間中に元ポルノ女優への口止め料支払いを不正に隠蔽した容疑、2020年大統領選の結果を覆そうとした「国家を欺くための共謀」の容疑、2021年1月の退任後、ホワイトハウスから大量の機密文書を不適切に持ち出し、隠ぺいした容疑の案件などが含まれている。
カークパトリック氏によると、トランプ氏が選挙資金の抜け穴によって獲得した弁護費用は1億ドル(約155億円)相当に上り、先述した「偽の選挙グッズ」の販売利益と合わせると、トランプ氏の推定利益は1億2770万ドル(約198億円)に上るという(同NPR)。
大手メディアを訴えて巨額の和解金を得る
トランプ大統領は自分を批判するABCニュース、CBSニュース、Meta、Xなどを次々と訴え、巨額の和解金を得ている。
例えば、2024年12月、ABCニュースはトランプ氏から訴えられた訴訟の和解金として1500万ドルを支払うことで合意した。これは同局の看板キャスター、ジョージ・ステファノポロス氏がトランプ氏の「性的虐待」訴訟を誤って「強姦」と言ったことで、トランプ氏から「名誉毀損」で訴えられたものだ。
しかし、このケースはトランプ氏が勝訴するには、ステファノポロス氏が「悪意を持って“強姦”と発言した」ことを証明しなければならず、トランプ氏側が勝訴する可能性は低いとみられていた。ところがABCニュースは、トランプ氏が2024年11月の大統領選で勝利したことを受けて、和解に踏み切った。
また、2025年7月には、2024年大統領選で民主党候補だったカマラ・ハリス氏のインタビューの編集をめぐり、「ハリス陣営に好意的に編集され、報道された」としてトランプ氏から「選挙妨害だ」と訴えられていたCBSニュースも、同氏に1600万ドルを支払うことで和解した。
