睡眠負債は「自覚なき巨額な借金」

ちなみに、この睡眠負債とは、いわば「睡眠の巨額な借金」のこと。

「昨日は徹夜した」「昨晩は全然眠れなかった」といった“自覚のある睡眠不足”とは異なります。

睡眠不足であれば、翌日にしっかり寝れば回復できることが多いでしょう。

それに対して睡眠負債は、自覚のないまま毎日1~2時間程度の睡眠不足がジワジワと積み重なり、心身の健康を蝕んでいくものです。単なる睡眠不足より、恐ろしいものなのです。

メジャーリーガーの大谷翔平選手は「過酷なトレーニングを日々こなす中でも、いいパフォーマンスをするために最も大切な生活習慣は?」という問いに、常に「熟睡習慣」と答えています。

人一倍肉体を酷使していても、十分な睡眠によって心身の疲労をリセットしているのです。

しかし、そんな彼でさえ、担当通訳の不祥事で強いストレスにさらされた際は、ごく短期間ながらもスランプに陥ったことがありました。

後に本人が「あのときは眠れなかった」と告白していることからも、超一流アスリートのパフォーマンスでさえ、睡眠不足とそれに伴う脳疲労には抗えないことがわかります。

今日のビジネスパーソンも、脳疲労を防いで仕事の質を維持するために、睡眠の重要性を改めて認識する必要があるのです。

脳を「ゴミ屋敷」化するスマホの使い方

疲れている理由② やめられない「スマホ依存症」

スマホに代表されるデジタルデバイスは、今や私たちの生活に欠かせません。手軽に情報を得たり、目の前の仕事を効率よくこなしたりするには、デジタルデバイスは必要不可欠でしょう。日常のちょっとした悩み事を解消するためにも便利です。

しかし、そのスマホこそが、脳疲労を増悪ぞうあくさせる真犯人となっていることを再認識していただきたいと思います。

スマホが脳疲労の原因となる第一の理由は、その圧倒的な情報量にあります。

色鮮やかな画面、次々と流れてくる動画、耳に飛び込んでくる音……。これらすべてが、あなたの脳へ膨大な情報を休むことなく送り続け、知らず知らずのうちに大きな負担をかけてしまっているのです。

さらにスマホは、いつでもどこでも手軽に使えてしまいます。会社の机や仕事の合間の休憩室はもちろん、トイレや風呂、そして寝室にまでスマホを持ち込む方も少なくないでしょう。

女性がレストランで食事を楽しみながらスマートフォンを使っている
写真=iStock.com/shih-wei
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明確な目的を持ってスマホを利用する分には、それほど脳は疲れません。しかし、「ながらスマホ」や「だらだらスマホ」が習慣になってしまうと、いつの間にか脳は疲弊し、ゴミ屋敷状態になってしまうのです。