武蔵の「おみやげ問題」

当然、多くの子はこの答えを知らない。なぜなら、学校でも塾でも習っていないから。

こうした問題を前にしたとき、「そんなの分かるわけがない。考えてもムダだから、このあたりにしておこう」と適当に答えをえいやと書くか、「たしかに、この表面のシワシワは何なのだろう? 全部の落花生の表面がそうなっているということは、何か理由があるはずだ」と、今ある情報(問題文)と自分の知識、もしくは経験を総動員させて考えようとするか――。

つまり、日ごろから「なぜそうなっているのか」理由や原因を考える習慣が身についているかどうかが、合否の分かれ目になった。

テーブルの上にボウルに入った落花生
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同じように、男子御三家と呼ばれる難関校の一つ、武蔵中学の理科入試もユニークなものが多い。「おみやげ問題」と呼ばれている名物問題は、試験時に問題用紙のほかに封筒が配られ、その中に入っているものについて観察し、問いに答えるというもの。ネジやくぎ、ファスナー、葉っぱなど、毎年違うものが入っていて、「今年は何が入っているのだろう?」と受験界では必ず話題になる。

幼児期の遊びが「学びに向かう姿勢」を育てる

なぜ難関校ではこのような“謎問題”にこだわるのか?

それは、さまざまな物事に対して、「なぜ?」と不思議がる子の伸びしろに期待しているからだ。その素養を持った子に来てほしいという思いがあるからこそ、このような一見、受験勉強には役に立たなそうな“謎問題”でふるいをかけているのだ。

中学受験を目指す家庭の中には、幼い頃から勉強系の習い事をさせているケースが多い。しかも1つや2つではなく、1週間のほとんどが習い事で埋め尽くされてしまっている子もいる。子供は何に興味を持つか分からないので、小さいうちにいくつもの経験をさせることは否定しない。しかし、習い事の詰め込みや行き過ぎた早期教育は、タスク型の勉強、もしくはやらされ感のある勉強に陥りやすいので注意が必要だ。

それよりも、幼児期の子供にとって、一番大切なのはたっぷり遊ぶこと。とくに「身体全体を使った五感を刺激する遊び」がおすすめだ。子供は自分の経験したことが身体感覚として残り、その経験と知識をつなぎ合わせることで理解を深めていく。