経験と知識がつながる瞬間は「楽しい」
例えば、中学受験の物理問題でよく出題される「振り子の問題」。まず基本知識として、「振り子の長さの定義」を知っておく必要があるが、こうした知識は机上の勉強よりも、「あ、あのときの一番高い所でふわっと浮いて止まったような感覚のことか」「低いところではスピードが速かったな」など、実際にブランコで遊んだ経験がある子のほうが理解は早いし、面白がって聞く。
この「ああ、あのときのアレか!」と、自分の経験と新しい知識がピタリとつながる瞬間が多い子ほど、「勉強は楽しい!」と思えるようになる。さらに、自分自身の経験とリンクしているので、自分の知識として頭に残りやすく、どんどん賢い子になっていく。つまり、幼児期にどれだけたくさんの身体感覚を得てきたかによって、その後の勉強に対する感じ方や理解度が変わってくるということだ。
頭のいい子が持つ「勉強メンタル」
長年、中学受験の指導に携わり、多くの子供たちを見てきて感じるのは、頭のいい子にはある1つの共通点があることだ。
それは、授業を聞くときも、自分で問題を解くときも、「なぜそうなのだろう?」「ふむふむ、そういうことか」「ということは、こういうときにも使える知識かもしれないな」「おや? これは初めて見る問題だな。でも、大丈夫、僕なら解ける。まずは問題を丁寧に読んでみるか。きっとそこにヒントが隠されているはずだ」と、常に心の動きが伴っている点だ。この心のベクトルを私は「勉強メンタル」と呼んでいる。勉強メンタルは、筋トレのように短期間で鍛えられるものではない。
私はすべての学びの土台は、「なぜそうなのだろう?」という疑問や不思議に思う気持ち、つまり「好奇心」にあると考える。では、その好奇心はいつから芽生えるのかというと、生まれた瞬間からだ。そして、言葉を話せるようになると、子供は「なぜ?」「どうして?」をくり返し大人にぶつけてくる。そのときに、たくさんの好奇心を満たしてあげると、子供は「知らないことを知るのは楽しいな」「もっといろいろなことを知りたいな」と心のベクトルが動く。

